子どもと一緒に楽しめた、歌舞伎『あらしのよるに』

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初めての歌舞伎で、こんなに胸が熱くなるとは思わなかった
―『あらしのよるに』を家族4人で観て―

初めてみた歌舞伎は南座で観た『あらしのよるに』
家族4人で客席に座り、正直なところ「ちゃんと楽しめるかな?」という不安も少しありました。

でも、ラストシーン
花道のがぶ(中村獅童さん)へ、割れんばかりの拍手が会場を包み込み、その熱気に一気に引き込まれました。
気づけば、こちらまで興奮して拍手を送り続けていました。

「歌舞伎って、こんなに心を揺さぶるものなんだ」
そう感じたのが、今回観た歌舞伎『あらしのよるに』でした。

作品について

『あらしのよるに』は、きむらゆういちさん原作の絵本で、
1994年の発売以来、続編を含め累計350万部を超えるベストセラーとなっています。

我が家にも絵本があります。

狼と山羊という、本来なら決して分かり合えない存在同士の友情を描いた物語は、
アニメ映画化(中村獅童さんががぶ役を担当)など、さまざまな形で愛されてきました。

そして2015年9月、京都・南座で歌舞伎として初上演。
絵本の世界観を大切にしながら、
立廻り、群舞、義太夫や長唄といった歌舞伎ならではの表現が加わり、大きな話題となった作品です。

↓詳細あらすじ解説ブログ

配役紹介

今回の舞台を支える配役はこちら。

  • がぶ(狼):中村獅童
  • めい(山羊):中村壱太郎
  • みい姫:坂東新悟
  • はく:市村竹松
  • 穴熊ぴか:市村光
  • たぷ:澤村國矢
  • 山羊のおじじ:市村橘太郎
  • がい:河原崎権十郎
  • 狼のおばば:市村萬次郎
  • ぎろ:中村錦之助

それぞれの役がとても分かりやすく、歌舞伎初心者でも物語に迷うことがありませんでした。

あらすじ

ある嵐の夜、真っ暗な山小屋で偶然出会った狼のがぶと山羊のめい
お互いの正体を知らぬまま夜通し語り合い、「あらしのよるに」を合言葉に再会を約束します。

翌日、互いの姿を見て驚く2匹
がぶは山羊が大好物でありながら、めいの「友達」という言葉を大切にし、その本能を隠して友情を育んでいきます。

しかし、狼のぎろは過去の恨みからめいを狙い、
がぶはめいをかばって捕らえられてしまいます。

狼と山羊が入り乱れる争いの中、
追い詰められていく2匹。

「ともだちなのに、――おいしそう。」

観て感じたこと

この舞台を観て強く感じたのは、
「子ども向け」と思っていた物語が、大人の心にも深く刺さるということでした。

善と悪、正しさと本能、種族の違い。
簡単に割り切れないテーマを、歌舞伎という表現で真正面から描いていて、
立廻りや群舞の迫力も相まって、物語に一気に引き込まれます。

家族で観ましたが、年齢に関係なく、それぞれが何かを感じ取れる作品だと思います。
初めての歌舞伎がこの演目で本当によかった、そう素直に思いました。

まとめ

新作歌舞伎なのでなかなか再演とタイミングが合わないと思いますが

「歌舞伎は敷居が高い」
そんなイメージを持っている人にこそ、『あらしのよるに』はおすすめしたい演目です。

物語が分かりやすく、感情がまっすぐ伝わってくる。
そして、最後に自然と湧き起こる拍手の理由が、きっと分かります。

初めての歌舞伎体験が、忘れられない思い出になりました。

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