中村虎之介(なかむら とらのすけ)は、幼少期から祖父や父と舞台をともにし、中学生の頃に出演した平成中村座をきっかけとして、歌舞伎役者になる決意を固めました。
初お目見得、名跡と定紋の発表、初舞台を経て、国立劇場での受賞やテレビ・CM出演など活動の幅を広げています。
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この記事では、中村虎之介の基本プロフィールと家族・親族、初お目見得から初舞台までの経歴、十八代目中村勘三郎との出会い、受賞歴、メディア出演を整理します。
あわせて、2026年10月に京都・南座で上演される「市川團十郎特別公演」の配役も紹介します。
中村虎之介のプロフィール
| 項目 | 内容 |
| 芸名 | 中村虎之介(なかむら とらのすけ) |
| 本名 | 林虎之介(はやし とらのすけ) |
| 生年月日 | 1998年1月8日 |
| 出身地 | 東京都 |
| 屋号 | 成駒家(なりごまや)。2005年の初舞台記者会見で新設された表記で、本人は本来の「成駒屋」と区別する趣旨から「家」の字を使用していると語っています。 |
| 定紋 | 寒雀の中に虎(かんすずめのなかにとら) |
| 替紋 | 蝶花菱 |
屋号の「成駒家」は、「成駒屋」と同じく「なりごまや」と読みますが、表記には「屋」ではなく「家」が使われています。
定紋の「寒雀の中に虎」は、芸名の「中村虎之介」とともに初舞台を前に発表されました。
替紋は「蝶花菱」です。
中村虎之介の家族・親族
中村虎之介の家族・親族には、歌舞伎、日本舞踊、宝塚歌劇、映画・テレビ、政治の各分野で活動した人物がいます。
それぞれの続柄と経歴は次の通りです。
| 続柄 | 人物・経歴 |
| 父 | 三代目中村扇雀。歌舞伎役者で、日本舞踊雁音流の二代目家元です。 |
| 祖父 | 四代目坂田藤十郎。人間国宝で、四代目坂田藤十郎を襲名する以前は三代目中村鴈治郎を名乗っていました。 |
| 祖母 | 扇千景。元宝塚歌劇団娘役で、のちに政治家となり、参議院議長を務めました。 |
| 伯父 | 四代目中村鴈治郎。歌舞伎役者で、現在の名跡を襲名する以前は二代目中村翫雀を名乗っていました。 |
| 従兄 | 中村壱太郎。歌舞伎役者で、日本舞踊吾妻流の七代目家元でもあります。 |
| 伯母 | 二代目吾妻徳穂。日本舞踊吾妻流の三世宗家です。 |
| 大叔母 | 中村玉緒。女優で、祖父・四代目坂田藤十郎の実妹です。 |
| 大叔父 | 勝新太郎。俳優で、中村玉緒の夫です。 |
虎之介は、父の三代目中村扇雀、祖父の四代目坂田藤十郎と実際に同じ公演へ出演しています。
なかでも2006年の初舞台は、祖父、父、虎之介の親子三代が同じ演目に顔をそろえる機会となりました。
初お目見得から初舞台までの歩み
2001年、『良弁杉由来』の光丸で初お目見得
最初の歌舞伎座出演は、2001年11月の「吉例顔見世大歌舞伎」でした。
夜の部で上演された『良弁杉由来』序幕「志賀の里の場」に、本名の「林虎之介」として初お目見得しています。
勤めたのは、水無瀬後室・渚の方の一子である光丸です。
渚の方を演じたのは、当時、三代目中村鴈治郎を名乗っていた祖父でした。
祖父が演じる人物の子どもという関係で、虎之介は歌舞伎座の舞台に初めて姿を見せました。
この時点では「中村虎之介」の芸名ではなく、本名での出演です。
2004年、大阪松竹座で大阪初お目見得
大阪での初お目見得は、2004年1月の大阪松竹座です。
『壽靭猿』に小猿役で出演しました。
2001年の歌舞伎座に続き、大阪でも本格的な初舞台を迎える前に舞台経験を重ねたことになります。
2005年、名跡と定紋を発表
2005年11月25日には、東京・銀座東武ホテルで初舞台の記者会見が行われました。
虎之介は父の三代目中村扇雀とともに会見へ臨み、新しい名跡「中村虎之介」と定紋「寒雀の中に虎」を発表しました。
「成駒家」という屋号の表記が新設されたのも、この記者会見です。
それまでの初お目見得では本名の林虎之介を使用していましたが、この発表を経て、翌年の初舞台で中村虎之介を名乗りました。
記者会見は、芸名、屋号の表記、定紋という虎之介の歌舞伎役者としての要素が示された場となっています。
2006年、『伽羅先代萩』の千松で初舞台
初舞台は2006年1月、歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」の夜の部で迎えました。
演目は『伽羅先代萩』の「御殿」で、乳人政岡の子・千松を勤めています。
この初舞台で「中村虎之介」を名乗りました。
乳人政岡を演じたのは、三代目中村鴈治郎から四代目坂田藤十郎を襲名した祖父です。
父の三代目中村扇雀も、渡辺主水妻・松島役で同じ演目に出演しました。
虎之介の初舞台は、祖父が政岡、父が松島、本人が千松を勤める親子三代での共演でした。
同月には、祖父の「三代目中村鴈治郎改め四代目坂田藤十郎」襲名披露口上にも列座しています。
虎之介が新しい芸名で初舞台を踏んだ時期と、祖父が四代目坂田藤十郎を襲名した時期が重なっていました。
十八代目中村勘三郎との出会いと平成中村座
歌舞伎の家に生まれ、幼少期から舞台に出演していた虎之介が、自ら「歌舞伎役者になる」と決心したのは中学生の頃です。
きっかけになったのは、十八代目中村勘三郎が座頭を務める「平成中村座」への初出演でした。
虎之介は、この経験を経て進む道を決め、勘三郎を目標にしていると語っています。
出演したのは、2011年12月から2012年5月まで行われた平成中村座のロングラン公演です。
約半年にわたる公演のなかで、性質の異なる3つの役を勤めました。
| 演目 | 役 |
| 『菅原伝授手習鑑』「車引」 | 舎人杉王丸 |
| 『元禄花見踊』 | 元禄の女 |
| 『神明恵和合取組』「め組の喧嘩」 | とまじりの栄次 |
虎之介の経歴では、幼い頃から舞台に立っていた時期と、本人が将来の道として歌舞伎を選んだ時期が異なります。
2001年の初お目見得、2006年の初舞台を経たのち、中学生として参加した平成中村座が、その意思を固める転機になりました。
休演と舞台復帰
2015年8月には、右裂孔原性網膜剥離の治療のため「八月納涼歌舞伎」を休演しました。
2022年1月22日には、新型コロナウイルス感染により「寿初春大歌舞伎」第一部を休演していましたが、翌1月23日から舞台に復帰しています。
治療による2015年の休演と、感染による2022年の休演は、それぞれ理由と時期が異なります。
国立劇場での受賞歴
中村虎之介は、国立劇場で国立劇場奨励賞を2回、国立劇場特別賞を1回受賞しています。
舞台で勤めた役に加え、「歌舞伎のみかた」の解説も受賞対象となりました。
| 年月 | 受賞 | 対象 |
| 2013年6月 | 国立劇場奨励賞 | 「歌舞伎のみかた」の解説と『紅葉狩』の山神 |
| 2014年6月 | 国立劇場特別賞 | 「歌舞伎のみかた」の解説 |
| 2019年6月 | 国立劇場奨励賞 | 『神霊矢口渡』の新田義峰と「歌舞伎のみかた」の解説 |
2013年は解説と『紅葉狩』の山神、2014年は解説、2019年は『神霊矢口渡』の新田義峰と解説が評価の対象です。
演目の役と解説の双方が受賞歴に含まれている点に、国立劇場での活動内容が表れています。
テレビ・CM出演
中村虎之介は歌舞伎の舞台以外に、テレビ番組とCMにも出演しています。
確認されている出演は次の通りです。
| 種別 | 時期 | 番組・CM |
| テレビ | 2006年1月 | BS日テレ「さあ、日本をみよう!」 |
| テレビ | 2009年 | NHK教育「英執着獅子」。女形の舞踊を披露しました。 |
| CM | 2008年7月 | 読売新聞「崖の上のポニョ モールス信号編」 |
| CM | 2008年7月 | 中央三井信託銀行「相続編」 |
| CM | 2009年8月 | 東洋水産「マルちゃん 昔ながらの中華そば」 |
BS日テレへの出演は、歌舞伎座で初舞台を迎えた2006年1月と同じ月でした。
2009年のNHK教育では女形の舞踊を披露しており、CMでは新聞、信託銀行、食品の商品・サービスに起用されています。
2026年「市川團十郎特別公演」南座での配役
中村虎之介は、2026年10月3日から25日まで京都・南座で行われる「市川團十郎特別公演」に出演します。
昼の部で2役、夜の部で3役を勤め、配役は合計5役です。
| 部 | 演目 | 役 |
| 昼の部 | 『与話情浮名横櫛 源氏店』 | 与三郎(Aプロ) |
| 昼の部 | 『勧進帳』 | 片岡八郎 |
| 夜の部 | 『義経千本桜 鳥居前』 | 源義経 |
| 夜の部 | 『七つ面』 | 元興寺赤右衛門実は悪七兵衛景清(主演格) |
| 夜の部 | 『荒事 大力天無双』 | 白龍 |
昼の部は、『与話情浮名横櫛 源氏店』の与三郎(Aプロ)を勤めます。
『勧進帳』の片岡八郎はAプロ・Bプロの区別がありません。
夜の部では、『義経千本桜 鳥居前』の源義経、『七つ面』の元興寺赤右衛門実は悪七兵衛景清、『荒事 大力天無双』の白龍を演じ、『七つ面』は主演格の役どころです。

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まとめ
中村虎之介の歩みは、本名での初お目見得、新しい名跡と定紋の発表、親子三代での初舞台、平成中村座での決意という順に形づくられてきました。
その後は国立劇場で3回の受賞を重ね、舞台以外のテレビ・CMにも出演しています。
2026年10月の南座公演では、昼夜を通じて5役を勤める予定です。
出演予定の公演

出演予定の公演

よくある質問(FAQ)
- 中村虎之介の本名は何ですか?
-
本名は林虎之介(はやし とらのすけ)です。
1998年1月8日生まれ、東京都出身で、屋号は成駒家(なりごまや)です。 - 中村虎之介の父と祖父は誰ですか?
-
父は三代目中村扇雀、祖父は人間国宝の四代目坂田藤十郎です。
藤十郎は四代目を襲名する以前、三代目中村鴈治郎を名乗っていました。 - 中村虎之介はいつ初舞台を踏みましたか?
-
2006年1月、歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」夜の部『伽羅先代萩』御殿にて、乳人政岡の子・千松役で「中村虎之介」を名乗り初舞台を踏みました。
祖父・父も同じ演目に出演し、親子三代での共演となりました。 - 中村虎之介の受賞歴は?
-
国立劇場奨励賞を2013年と2019年に、国立劇場特別賞を2014年に受賞しています。
いずれも舞台での役や「歌舞伎のみかた」の解説が対象となりました。 - 中村虎之介は南座「市川團十郎特別公演」で何を演じますか?
-
昼の部は『与話情浮名横櫛 源氏店』の与三郎(Aプロ)と『勧進帳』の片岡八郎の2役です。
夜の部は『義経千本桜 鳥居前』の源義経、『七つ面』の元興寺赤右衛門実は悪七兵衛景清、『荒事 大力天無双』の白龍の3役で、合計5役を勤めます。
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