第一部にしようか、第二部にしようか。
チケットを取るときには、どちらを観るか悩んでいました。
ところが蓋を開けてみれば、結果的に両方を同じ日に観ることに。
2026年10月、浅草寺の裏に建った平成中村座の「十月大歌舞伎」です。
第一部は午前11時開演、第二部は午後4時開演。
つまり通しで観るということは、午前中から夜まで、ほぼ一日を芝居小屋で過ごすということです。
頭では分かっていたつもりでした。
結論から言えば、観てよかった。
ただし、体力的には想像よりずっとハードでした。
この記事では、第一部・第二部それぞれの感想と、朝から夜まで芝居小屋で過ごして分かった現実的なことを、まとめて書いておきます。

入口の前から中まで、お祭りのような賑やかさ
この日の午前は、小雨が混じるあいにくの空模様でした。
それでも、浅草寺の裏手に建つ平成中村座のあたりは賑やかで、お祭りに来たようなわくわく感がありました。
しかもここ、チケットのもぎりより手前にある「土産処」は、チケットがなくても利用できます。
歌舞伎美人の公式ニュースでも「どなたでもご利用いただけます(チケット不要)」とされています。
歌舞伎座や南座だと、売店は基本的に中に入れる人のためのもの。
観劇しない人もふらりと立ち寄れる「開かれている感じ」が、お祭りの空気をいっそう強くしている気がしました。
気をつけたいのは、お土産を買える場所が2か所あることです。
ひとつは、もぎりの手前にある「土産処」。
もうひとつは、チケットをもぎってもらった先、小屋の入口前にある「五軒長屋」です。
五軒長屋は、チケットがないと入れないと思います。
ただ、公式に「チケットが必要」と明記されているわけではないため、私も確認までは取れていません。
もうひとつ、道のりにも注意が要ります。
浅草駅から会場までは、観光客でとにかく混んでいて、思うように進めません。
地図上の距離で計算していると確実に焦るので、余裕を持って出たほうが安心でした。
入口の手前は、開演の45分前(第一部なら10時15分)から開場です。
それまでは、並んで待つことになります。
その時間を過ぎてから着くと、入場はスムーズでした。
チケットをもぎってもらって進むと、小屋の入口前は、いよいよ縁日のような世界です。
先ほどの五軒長屋が並び、お弁当の販売や、筋書などのオフィシャルグッズの販売が行われています。
しかもそこは小屋の入口でもあるので、櫓を撮る人たちも集まって、まさにお祭り状態。
中村屋の角切銀杏をあしらった紫の櫓が上がり、「平成中村座」と書かれた白い提灯がずらりと並び、絵看板が掲げられている。
その下に人がぎゅうぎゅうに集まって、みんな写真を撮っている。
観劇というより、縁日に来たような賑やかさでした。
第一部|華やかな幕開きと、親子三人の『連獅子』

中に入ると、天井から「中村座」の大提灯が下がり、左右に赤提灯が連なっています。
正面には黒・白・柿の定式幕。
江戸の芝居小屋を再現した空間だということが、座った瞬間に分かります。
第一部は『初帆上成駒宝船』『仮名手本忠臣蔵』九段目「山科閑居」『連獅子』の三本立て。
華やかな舞踊で幕を開け、三大名作のひとつをじっくり見せて、中村屋ゆかりの大曲で締める。
並べ方として、よくできた構成だと思いました。
『初帆上成駒宝船』|壁が開いて、浅草寺の緑が舞台になる
幕開きは、成駒屋三兄弟による『初帆上成駒宝船』。
中村橋之助さん、中村福之助さん、中村歌之助さんの舞踊です。
とにかく華やかで、演出も効いていて、観ていてわくわくする一幕でした。
イヤホンガイドでは、上演前に橋之助さんご本人がこの舞踊について話してくれます。
2016年の襲名披露で、歌舞伎座の序幕として兄弟3人で踊った舞踊で、再演はそのとき以来とのこと。
襲名から10年の節目に、育ってきた「ホームグラウンド」の平成中村座で掛けられるのが嬉しい、とも話していました。
今回は初演からバージョンアップしていて、理由のひとつが「この平成中村座という空間を使わない手はない」。
この言葉の意味は、すぐに分かりました。
そして、この演目で平成中村座ならではの仕掛けが出ます。
舞台奥の壁が開け放たれて、浅草寺の樹木がそのまま舞台の背景になるのです。
午前は小雨混じりの空でしたが、壁が開くとぱっと明るくなって、木々の緑が本当にきれいでした。
開いた瞬間の客席からの歓声が、それはもうすごかった。
仮設の芝居小屋だからこそできる演出で、ここでいきなり心をつかまれました。
ちなみに、この借景(背景の景色を舞台に取り込む演出)は昼の部だけでした。
夜の部にもあるのかと期待していたのですが、こちらは壁が開くことはありませんでした。
『仮名手本忠臣蔵』九段目|鶴松さんの小浪、鴈治郎さんの加古川本蔵
続いて『仮名手本忠臣蔵』九段目「山科閑居」。
ここで印象に残ったのが、中村鶴松さんの小浪でした。
久しぶりに舞台で姿を見られて、素直に嬉しかったです。
やっぱり素敵な役者さんだな、と改めて思いました。
客席からの拍手もとても大きくて、待っていた人がたくさんいたんだなあ、と伝わってきます。
戸無瀬を勤めたのは中村七之助さんで、これが初役です。
イヤホンガイドによれば、11月の歌舞伎座で『仮名手本忠臣蔵』が通しで上演されるものの、九段目は出ないと事前に知ったそうです。
「それならこの平成中村座で」と決めた、という話でした。
九段目は一段だけでも十分に分かる、感情が行き交う演目だと語っていたのが印象に残っています。
加古川本蔵は、平成中村座に初出演となる中村鴈治郎さん。
主君への忠義と、娘への愛情。
その二つの間で心を揺らす役どころを、存在感たっぷりに見せてくれました。
『連獅子』|勘太郎くん、長三郎くんの成長した姿
そして第一部の最後が、『連獅子』。
中村勘九郎さんが親獅子、中村勘太郎さんと中村長三郎さんが仔獅子という、親子三人での一幕です。
勘九郎さんはイヤホンガイドで、この小屋で『連獅子』を踊るのは今回が初めてだと話していました。
間口の広くない濃密な空間で、花道の毛振りも「真上」になる。
いつもの劇場とは迫力が違って当然です。
さらに、勘太郎くんにはもう背を越されたとのこと。
背中を見られながら出ていく心境が、亡き父・勘三郎さんの気持ちと重なったそうです。
勘太郎くん、長三郎くんの立派に成長した姿を見られて、感激しました。
幕が下りたあとの、会場いっぱいの惜しみない拍手。
あの音が、この日いちばん記憶に残っているかもしれません。
第二部|勘九郎さん初役の『助六』と、めったに出ない「水入り」
第二部は『御存 鈴ヶ森』と『助六曲輪初花桜』の二本立て。
どちらも江戸を舞台にした作品で、浅草という土地で観るとまた格別です。
平成中村座は入れ替え制で、第一部が終わったら、いったん必ず外に出なければなりません。
通しで観る場合も、そのまま席に座っていることはできないのです。
その待ち時間に土産処をのぞいたり、お弁当を買ったりできるのは、通し観劇ならではのよさでした。
『御存 鈴ヶ森』|雲助たちのおかしみと、勘太郎さんの権八
第二部の幕開きは『御存 鈴ヶ森』。
雲助たちが仕掛けるからくりが、コミカルなおかしみを生んでいて楽しい一幕でした。
白井権八は勘太郎さんの初役で、イヤホンガイドでは見どころとして「暗闇の立ち回り」と「最後に幡随院長兵衛と出会う場面」を挙げていました。
暗闇の立ち回りは、照明は当たっているのに、役者は「見えない」という芝居をしながら戦ったり避けたりします。
そう聞いてから観ると、おかしみの見え方が変わりました。
花道から駕籠に乗って出てくるとき、刀を柄を下にして肩に掛けているのは、追われているのでいつでも抜けるように。
稽古の最初に、そう教わったそうです。
白井権八を勤めたのは中村勘太郎さん。
スッキリとした権八で、よかったです。
幡随院長兵衛の中村芝翫さんは、貫禄と、心の豊かさのようなものを感じさせてくれました。
『助六曲輪初花桜』|勘三郎さんが演じたかった助六
そして第二部の大詰が『助六曲輪初花桜』。
十八世中村勘三郎さんが亡くなって、はや14年になります。
その勘三郎さんが演じたかった助六を、息子の勘九郎さんが具現してみせる。
そういう一幕でした。
勘九郎さん自身、イヤホンガイドでこの初役について話していました。
「まさかやると思っていなかった」役だったそうです。
きっかけは、父・勘三郎さんの追善で白酒売として出演し、間近で見た仁左衛門さんの助六に強烈な色気を感じたこと。
さらに勘三郎さんは生前、「この平成中村座でいつか助六をやりたい」とよく話し、やるなら仁左衛門さんに教わりたいとも言っていたそうです。
今回はその仁左衛門さんの指導を受けての初役、と聞くと、舞台の見え方が変わります。
いい男でなければいけない役なので、毎日、鏡に向かって「いい男」と暗示をかけてから出てくるとのこと。
「拍手をいっぱい吸いなさい」と教わったから、拍手をたくさんしてほしい、と呼びかけてもいました。
浅草ならではの話もありました。
劇場があるのは浅草寺の境内(観音裏)で、助六の通り名にもなっている花川戸は目と鼻の先。
セリフには金龍山も出てくる、とのこと。
芝居小屋で助六ができるのは夢のような時間だ、とも話していました。
勘九郎さんにとって初役となる花川戸助六は、粋で華やか。
ぐっと引き込まれました。
ただ華やかなだけでなく、勘九郎さんらしい人間味も感じさせる男伊達だったのが印象的です。
中村七之助さんの三浦屋揚巻は、もう圧巻の美しさ。
姿、佇まい、華やかさ。
目を奪われました。
脇も豪華です。
髭の意休の芝翫さんは存在感があり、しかもユーモラス。
通人里暁の鴈治郎さんと、白酒売新兵衛の中村扇雀さんは、さすがの一言でした。
鴈治郎さん・扇雀さんの兄弟と、勘九郎さん・七之助さんの兄弟。
二組の兄弟が同じ舞台に並ぶ景色も、この公演ならではでしょう。
くわんぺら門兵衛の中村橋之助さんもよかった。
粋な「助六」を観たな〜、という満足感がありました。
鴈治郎さんの家系(成駒家)については、こちらで詳しく解説しています。

本水を使う「水入り」が付くのは、かなり貴重
今回いちばん観たかったのが、「水入り」の場です。
助六は上演機会の多い演目ですが、この場が付くことはめったにありません。
一度観てみたいと思っていたので、楽しみにしていました。
結果として、水入りがないと物足りなく感じるくらい、よかったです。
勘九郎さんが天水桶に飛び込む、本水を使ったケレン味あふれる演出。
ただ、観ていて素直に「演者は大変だろうな」と思いました。
聞いたところでは、湯冷めして風邪をひかないように、お湯ではなく水を使うのだそうです。
千穐楽まで、どうか体調に気をつけてほしいと願うばかりです。
勘三郎さんの「目」探しは、6箇所どまりだった

平成中村座といえば、芝居小屋のあちこちに隠れている十八世中村勘三郎さんの「目」探しです。
壁だったり、設備の片隅だったり、思いがけないところからこちらを見ています。
全部で18箇所あるらしいのですが、この日見つけられたのは6箇所だけ。
一日いたのに、3分の1です。
会場の外にあるものは、夜になると暗くてまず見つけられないと思います。
本気で探すなら、明るいうちに外回りを済ませておくのがよさそうでした。
お弁当とおやつ|どれも、やや小ぶり
一日いるので、食べるものも大事です。
浅草の名店が出店する「浅草茶屋」があり、お弁当やお茶菓子を買えます。
全体の印象として、どれもやや小ぶりでした。
がっつり食べたい人は、少し多めに見積もっておくといいかもしれません。

第一部はカツサンド。
手早く食べられるので、幕間に場内をうろうろしたい人には向いています。

第二部は炊き立ての五目釜飯にしました。
海老、かに、鶏、たけのこ、椎茸。
小ぶりとはいえ、具がきれいに乗っていて気分が上がります。

おやつはどら焼きを2つと、蜜芋。
どら焼きには中村屋の角切銀杏の紋が焼き印されていて、これだけでも記念になります。
食べるものまで中村座仕様なのが、なんとも嬉しいところ。

そして、記念に買って帰ったのが、中村屋の紋が入った湯呑みです。
生成り色の胴に青い角切銀杏がぽんと入っていて、縁は銀色。
どら焼きと違って食べればなくなるものではないので、家でお茶を飲むたびに中村座の一日を思い出せそうです。
この公演の売店で買えるお弁当・お菓子・グッズの一覧は、別記事にまとめています。

一日通しで観て分かった、体力と持ち物の話
ここからは、楽しかった話ではなく現実的な話です。
これから通しで観ようと考えている人には、たぶんこちらのほうが役に立ちます。
お尻と腰は、正直きつい

以前、お名残り公演のときにも、昼夜通しで観たことがあります。
そのときは今回よりもさらに長丁場で、長時間座り続けることになり、お尻と腰がかなりひどいことになりました。
今回はお名残り公演のときよりも短く、座布団も以前よりマシになっているようでした。
それでも、昼夜通しで観るのは体への負担が大きく、しんどかったです。
中村座の椅子は、常設の劇場ほどクッション性がなく、背もたれも簡易的なつくりです。
そのため、長く座っているとお尻と腰にこたえます。
かといって、クッションの持ち込みはおすすめしません。
座高が高くなって、後ろの席の人が舞台を見にくくなってしまうからです。
幕間はできるだけ座りっぱなしにせず、立って動いたほうがいいと思いました。
そのうえ入れ替え制で、第一部と第二部のあいだには必ず外に出ます。
座ったまま休んでいられるわけではないので、通しで観る人は、その時間の過ごし方もあらかじめ考えておくとよいでしょう。
羽織るものは持っていったほうがいい
意外だったのが、空調です。
場所によっては効きすぎていて、寒いと感じるところがありました。
仮設の建物なので、席の位置によって体感がかなり変わるのだと思います。
羽織ものやストールを一枚持っていくと安心です。
靴袋はもらえるけれど、エコバッグがあると便利
平成中村座は、劇場へ入るときに履き物を脱ぎます。
靴を入れる透明な袋はもらえるのですが、これがレジ袋のように腕を通せるタイプではありません。
お弁当やお土産を持っていると、地味に手がふさがります。
透明袋ごと入れられるエコバッグを持っていくと、かなり楽になります。
イヤホンガイドは、今回は特におすすめ

この公演のイヤホンガイドには、特別放送がついています。
各演目の上演前に、出演者ご本人がみどころを解説してくれるというものです。
『初帆上成駒宝船』は橋之助さん、『仮名手本忠臣蔵』は七之助さん、『連獅子』は長三郎くん、『御存 鈴ヶ森』は勘太郎さん、『助六曲輪初花桜』は勘九郎さんの担当です。
役への思いやこだわりを、ご本人の口から聞いてから幕が開く。
これが思った以上によくて、この記事で紹介した出演者さんの話は、いずれもここで聞いたものです。
私は借りましたが、通しで観るなら、幕間の過ごし方も含めて楽しみが増えると感じました。
公式の案内では、当日のレンタルは1台800円(税込)で、当日の決済は現金のみ。
事前予約なら700円+手数料2%で、オンラインストア「耳寄屋」から申し込めます(いずれも2026年10月公演の案内)。
注意したいのは返却です。
機器には「各部終演後に必ずご返却を」と書かれていて、入れ替え制なので、第一部のあとにいったん返す必要があります。
なお、この特別放送の完全版は、有料の音声配信としてオンラインでも提供されています。
配信の期間や価格は変わることがあるので、気になる方は公式の案内を確認してください。
仮設トイレは、並ぶけれど意外とスムーズ
トイレは仮設なので、幕間は当然並びます。
ただ、お茶子さんの誘導があるおかげで、思っていたよりずっとスムーズに流れていました。
これは全体を通して感じたことですが、劇場内のスタッフさんがとにかく元気で頼もしいのです。
案内の声にも張りがあって、それだけで場の空気が明るくなる。
仮設の小屋ならではの不便さを、人の力で補っている感じがしました。
当日の流れや服装のことは、こちらの記事にもまとめています。

よくある質問(FAQ)
- 第一部と第二部を一日で通して観るのは大変ですか?
-
正直なところ、体力的にはきついです。
昼夜通しだと体への負担が大きい上に、椅子も常設の劇場ほどクッション性がなく背もたれも簡易的なため、お尻と腰にこたえます。
観ること自体はもちろん楽しめますが、幕間にこまめに立って動くなどの対策はしておいたほうがよいでしょう。
なお、クッションの持ち込みは、座高が高くなって後ろの席の人が見にくくなるため、おすすめしません。 - 開場は何時からですか?並んで待つ必要はありますか?
-
開演の45分前から開場で、第一部(11時開演)は10時15分です。
入口の手前では、開場までは並んで待つことになりました。
その時間を過ぎてから着くと、入場はスムーズでした。 - イヤホンガイドは借りたほうがいいですか?
-
今回は特におすすめです。
各演目の上演前に、出演者ご本人によるみどころ解説の特別放送があります。
公式の案内では、当日レンタルは1台800円(税込・現金のみ)、事前予約は700円+手数料2%です(2026年10月公演の案内)。
各部の終演後に返却が必要な点に注意してください。 - 第一部と第二部のあいだは、席に座ったまま待てますか?
-
いいえ、入れ替え制のため、第一部が終わったらいったん必ず外に出る必要があります。
通しで観る場合も同じです。
待ち時間にお弁当を買ったり、土産処をのぞいたりして過ごすことになります。 - チケットがなくてもお土産は買えますか?
-
チケットのもぎりより手前にある「土産処」は、歌舞伎美人の公式ニュースで「どなたでもご利用いただけます(チケット不要)」とされています。
一方、チケットをもぎってもらった先にある「五軒長屋」は、チケットがないと入れないと思います。
ただし公式に明記はされておらず、私は確認できていません。 - 助六の「水入り」とは何ですか?
-
助六が天水桶の水に飛び込んで身を隠す場面のことで、本物の水(本水)を使います。
上演機会は多くありません。
湯冷めして風邪をひかないよう、お湯ではなく水を使うのだそうです。 - 勘三郎さんの「目」はいくつ隠れていますか?
-
全部で18箇所あるとされています。
私は一日いて6箇所しか見つけられませんでした。
屋外にあるものは暗くなると見つけにくいので、明るいうちに探すのがおすすめです。 - 持っていくと便利なものはありますか?
-
羽織ものやストール、そしてエコバッグです。
場所によって空調が効きすぎて寒く感じることがあります。
また、靴を入れる透明袋は腕を通せる形ではないため、袋ごと入れられるエコバッグがあると手がふさがりません。
歌舞伎が初めての方へ
歌舞伎自体が初めてだと「どう観ればいいの?」と迷うこともあるかもしれません。
歌舞伎には独特の約束ごとや表現がありますが、基本を少し知っておくだけで、面白さがぐっと伝わりやすくなります。
歌舞伎とは?初心者向けにわかりやすく解説

まとめ|エンタメ感いっぱいの一日だった
江戸の芝居小屋ならではの、エンタメ感いっぱいのお芝居でした。
壁が開いて浅草寺の緑が舞台になる幕開きから、天水桶に飛び込む水入りまで。
常設の劇場では味わえないことが、一日のあいだにぎゅっと詰まっていました。
親子三人の『連獅子』で沸いた拍手も、鶴松さんの小浪に送られた大きな拍手も、忘れがたいものです。
客席の温度がそのまま伝わってくるのは、舞台と客席が近い小屋だからこそでしょう。
そのうえで、体力の話も正直に書いておきました。
お尻と腰は確実にくるので、そこだけ覚悟して臨めば、通し観劇はやはり贅沢な一日になると思います。
第一部と第二部、どちらか一方を選ぶなら。
華やかな舞踊と親子三人の『連獅子』を味わいたいなら第一部、江戸情緒と勘九郎さんの初役を見届けたいなら第二部、という分け方になるでしょうか。
ただ、私のように両方気になってしまった人は、たぶん最後まで決められません。
そのときは腹をくくって通しで取るのも、ひとつの手です。
仮設の芝居小屋は、会期が終われば跡形もなく解体されてしまうのですから。
これから観る方へ|座席のこと
この日は、第一部が中央後方の23列8番、第二部が右寄り中程の17列21番でした。
どちらも舞台が見づらいということはなく、小屋の全体が視界に入る位置です。
平成中村座は舞台と客席の距離が近いので、後方でも遠すぎると感じる場面は少ないと思います。
ただし繰り返しになりますが、座り心地は常設劇場と別物です。
通しで観るなら、座席の種類ごとの特徴を事前に把握しておくと、当日の体の負担がだいぶ違ってきます。
席種ごとの見え方は、以下の記事で詳しく解説しています。

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