南座『曽根崎心中』はWキャスト公演。
私が観劇する回では、徳兵衛を尾上右近が勤めます。
今回は、その右近の徳兵衛に焦点を当て、観劇前に押さえておきたいポイントをまとめます。
南座『曽根崎心中』尾上右近出演回観劇前予習ガイド
南座『曽根崎心中』はWキャスト公演
今回の配役一覧
| 天満屋お初 | 中村 壱太郎(桜プロ) 尾上 右近(松プロ) |
| 平野屋徳兵衛 | 尾上 右近(桜プロ) 中村 壱太郎(松プロ) |
| 天満屋惣兵衛 | 片岡 仁三郎 |
| 油屋九平次 | 片岡 松十郎 |
| 下女お玉 | 中村 翫政(桜プロ) 上村 吉太朗(松プロ) |
| 丁稚長蔵 | 上村 吉太朗(桜プロ) 中村 翫政(松プロ) |
今回の配役を見ると、徳兵衛の叔父の名が見当たりません。
本来、徳兵衛の叔父は、徳兵衛をお初と夫婦にさせようと考えていた人物です。
しかしその思惑はすれ違い、物語は思わぬ方向へと進んでいきます。
この背景がどのように語られるのか、あるいは簡潔に処理されるのかも、今回の南座公演で注目したい点の一つです。
また、下女お玉を勤めるのは上村吉太朗です。
以前、エヴァンゲリオン歌舞伎 で尾上左近とともに主演を務めた吉太朗が、今回は物語を支える立場としてどのようなお玉像を描くのかも楽しみの一つです。
主演作で見せた存在感とはまた異なる、抑制の効いた役どころをどう表現するのかに注目したいと思います。
「尾上右近の徳兵衛|観劇前に注目したいポイント」
徳兵衛という役は、舞台上で周囲から追い詰められ、泣きながら去り、縁の下でじっと耐える人物です。感情を外に爆発させるのではなく、ぐっと内に抱え込みながら物語を進めていきます。
その繊細な心の動きが、この役の大きな見どころでもあります。
そして、徳兵衛を演じる
尾上右近 は、今回の公演について次のように語っています。
「お初と徳兵衛を描くにあたり、純粋な気持ちを持った二人の眩しさや美しさ、その若さあっての物語であるという点に、より焦点が当たるようブラッシュアップし、伝わりやすい展開を目指しています」
『曽根崎心中』は通常およそ一時間三十分ほどの演目ですが、今回は上演時間をコンパクトにまとめより親しみやすい物にしていくのことです。
さらに右近は、観客に向けてこう呼びかけています。
「どこを切っても楽しめる公演になると思います。僕たち二人の“死ぬる覚悟”を見に、ぜひ南座にお越しください」
公演全体が、若さゆえの純粋さと覚悟に焦点を当てた舞台になることがうかがえます。
今回の南座公演が、どのような“覚悟”を見せてくれるのか、観劇前から期待が高まります。
お初との関係性|今回の相性をどう観るか
今回の『曽根崎心中』は、尾上右近(おのえうこん)と中村壱太郎(なかむらかずたろう)の顔合わせとしては2年ぶり、2度目の上演となります。再びこの二人で描かれる徳兵衛とお初に、大きな期待が集まります。
前回の上演では、成駒屋の系統ではない尾上右近が徳兵衛を勤めること自体が、約30年ぶりの大抜擢として話題になりました。それだけに、今回の上演は挑戦の再演というよりも、一度確かな評価を得た上での再構築ともいえる舞台です。
経験を重ねたうえでの再演となれば、物語の細やかな呼吸や感情の積み重ねも、より深く表現されることでしょう。
安心してその世界に身を委ねられる公演になるのではないでしょうか。
『曽根崎心中』のあらすじを予習したい方へ
『曽根崎心中』は、近松門左衛門が実際に起きた心中事件をもとに描いた作品で、人形浄瑠璃・文楽を代表する名作のひとつです。
詳しいあらすじは▶曽根崎心中(歌舞伎)あらすじ・登場人物・みどころ|歌舞伎演目
さらに今回は、第二部として花形歌舞伎特別対談も予定されています。
舞台本編とは異なる形で、出演者の思いや作品への向き合い方を直接聞ける機会が設けられているのも、三月公演ならではの魅力といえるでしょう。演じる側の言葉を通して作品世界をあらためて捉え直せる時間になるかもしれません。
本編の『曽根崎心中』とあわせて、舞台裏の思いや創作の過程に触れられる構成となっており、公演全体をより立体的に楽しめそうです。

【観劇後追記予定】実際に観た感想と舞台の印象
公演全体については、共演する
中村壱太郎 も構想を明かしています。
「毎年三月の公演のもう一つのみどころとして、来場者特典やグッズの販売などを通して、劇場全体をテーマパークのように盛り上げていきたいです」
舞台そのものだけでなく、劇場体験全体を楽しんでもらいたいという思いがうかがえます。
三月の南座公演が、観劇という枠を超えた“体験型の時間”としてどのように展開されるのかも注目したいところです。
観劇後の感想
本記事は観劇前の予習ガイドとしてまとめていますが、3月南座での公演を実際に観劇後、舞台の感想や印象を追記する予定です。
尾上右近の徳兵衛がどのような“死ぬる覚悟”を見せたのか。
中村壱太郎との呼吸はどうだったのか。
そして今回の南座公演ならではの演出や空気感についても、あらためて詳しく書き加えます。
観劇後の更新を予定していますので、ぜひ再度ご覧ください。




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