歌舞伎『あらしのよるに』あらすじからおすすめの席まで|観劇記

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あらしのよるにのガブとメイ

2026年2月博多座での上演が終了しました。

この記事では歌舞伎のあらしのよるにのあらすじ、おすすめの席を紹介します。

目次

歌舞伎『あらしのよるに』を鑑賞しました。

2015年9月
京都四條南座「九月花形歌舞伎」公演。
その舞台で上演された中村獅童尾上松也による新作歌舞伎『あらしのよるに』をDVDで鑑賞しました。

歌舞伎『あらしのよるに』あらすじ

嵐の夜、暗闇の小屋で出会った狼のがぶ山羊のめいは、互いの正体を知らぬまま心を通わせ、「あらしのよるに」を合言葉に再会を約束します。やがて敵同士であることを知りながらも、二匹は秘密の友情を育んでいきます

しかし、狼と山羊の世界には越えがたい掟があり、群れ同士の対立や過去の因縁が二匹を追い詰めていきます。
命を懸けた選択を迫られる中で、がぶとめいは「信じること」「自分らしく生きること」を選ぼうとします。

敵対する立場を超えた友情を、歌舞伎ならではの様式美と現代的なテーマで描いた作品です。

登場するのは、狼のがぶ(中村獅童)山羊のめい(尾上松也)、狼のぎろ(市川 月乃助)。
食べる者と食べられる者の関係にある二者が、友情を感じ、信頼を築き、相手を思いやる心を育んでいきます。

詳しいあらすじ、内容は

歌舞伎『あらしのよるに』のキャスト

あらすじの前に今回のキャストを紹介。

狼のがぶ:中村獅童
狼の子として生まれながら、争いや力による支配に馴染めず、孤独を抱えて生きている存在。幼い頃、父である狼の長から「自分らしく生きろ」と教えられた言葉を心の支えとしている。嵐の夜、暗闇の小屋でめいと出会い、正体を知らぬまま心を通わせることで、初めて「理解し合える他者」と巡り合う。

山羊のめい:尾上松也
好奇心旺盛でまっすぐな心を持つ幼い山羊。母・まつを狼に殺されるという過酷な過去を背負いながらも、憎しみに飲み込まれず、自分の感じた「信じたい気持ち」を大切にしようとする強さを持つ。
嵐の夜に出会ったがぶを、狼であると知った後も「友達」として受け入れようとし、その姿勢は仲間の山羊たちとの間に葛藤を生む。

狼のぎろ:市川 月乃助
狼の群れを支配する冷酷な存在で、本作における明確な悪の象徴。
権力欲が強く、かつて狼の長を騙し討ちにして殺害し、その罪を山羊になすりつけて長の座に就いた。

歌舞伎『あらしのよるに』のあらすじ詳細

序幕(過去の出来事)

岩山に集まった狼たちは、ぎろ(市川 月乃助)の号令で山羊狩りに出ます。
草原では山羊たちが穏やかに過ごしていましたが、狼の襲撃により山羊たちは追い詰められます。

まつは命を懸けてぎろに立ち向かい、その片耳を噛みちぎります。まつは山羊のおじじめいを託して命を落とます。

そして混乱に乗じて、ぎろ狼の長騙し討ちにして殺害します。
ぎろはその罪を山羊になすりつけて長の座を奪いますが、がいは現場に残された証から、ぎろへの疑念を抱き始めます。

初めて見るとみんな狼の姿、隈取なのでどれががぶなの!!
ってなりますが、残念ながらがぶはまだ出てきません!

「嵐の夜」

月日は流れ、ある夜のこと
激しい嵐を避けて草原の小屋で雨宿りをしていた山羊のめいは、うたた寝の中で狼に襲われる悪夢を見ています。
そこへ同じく嵐を避けて、狼のがぶが小屋に入って来ます。
暗闇のため、互いの正体に気づかぬまま言葉を交わす二匹は、不思議なほど気が合い、心を通わせます。


やがてあらしのよるにを合言葉に、翌日の再会を約束するのでした。

がぶのせりふの語尾が原作と同じく「でやんす」になっててコミカルです。

「再会」

嵐が去った翌日、めいは合言葉を頼りに小屋を訪れ、約束の相手を待ちます。
一方、がぶも同じ思いで小屋へ向かい、二匹は偶然にも同じ幸福草を手土産に再会します。

合言葉を交わした瞬間、互いの正体が山羊と狼であることを知り驚きますが、幸福草をきっかけに心の距離を縮めていきます。獲物であるめいへの本能を抑えながら、がぶは美味しい草の生える場所へめいを案内するのでした。

ここでのやり取りがめちゃくちゃコミカルで楽しいです!

美味しい草の生える場所への道中は客席降りの演出があってそれも楽しいし、オススメの席もあるのでそこは後述します。

時が経つのも忘れて過ごした二匹でしたが、突然の雷に驚き、めいは洞穴へ逃げる途中で足を滑らせてけがをしてしまいます。
がぶはめいを介抱し、「友達」と呼ばれたことに心を打たれます。二匹は再び会うことを約束し、それぞれの仲間のもとへ帰っていくのでした。

「ぎろの山」

ぎろに呼び出されたおばばは、片耳となったぎろから耳を元に戻す方法を問われます。
おばばは魔法の鏡に、めい、みい姫、たぷの姿を映し出し、彼らが手掛かりになると告げます。

更にオババは山羊たちのいばしょはガブが手がかりになる告げ、ぎろはがぶの行動を見張るよう仲間に命じるのでした。

「月の夜」

数日後の月夜、がぶから月見の誘いの手紙を受け取っためいのもとへ、みい姫が現れます。

近頃様子の違うめいを気遣い、悩みがあれば打ち明けてほしいと声をかけます。
その言葉に、めいは胸を揺さぶられます。狼のがぶと友達になった喜びと、それを仲間に打ち明けられない葛藤が、めいの心に深く残るのでした。

やがて、がぶとの待ち合わせの岩山へ向かうめい。
それを追うたぷ。その様子を知ったおじじは、はくを連れてめいの後を追って行くのであった。

BGMにメリさんの羊が流れ
はく「あれ、ぼくたちヤギなんだけどなぁ」と
不本意そうな顔が笑いを誘います。

「満月の下」

満月の夜がぶとめいは岩山で月を眺めながら語り合います。
そこは、かつて狼の長であった父から「自分を信じて生きよ」と教えられた、がぶの思い出の場所でした。
がぶはめいを「秘密の友達」だと打ち明けます。

しかし帰ろうとしたところへ狼たちが現れ、めいを捕らえようとします。
がぶは必死にめいを逃がそうとしますが、ぎろやおばば、さらに山羊たちも駆けつけ、暗闇の中で混乱が広がります。
その隙に、おじじはめいを救い出し、連れ去るのでした。

この場では『だんまり』が見せ場になってます!

「おばばの部屋」

岩山で狼に捕まったたぷ
仲間の居場所を白状させるため、おばばは、秘伝の薬を作って飲ませようとするが失敗してしまう。

その隙に、たぷは逃げ出して行きます。

「集落」

山羊の集落に戻っためいは、捕らえられたみい姫とたぷ
そしてがぶを救うため、狼のねぐらへ向かおうとします。
そこへ現れたおじじは母・まつが狼に殺されたことを告げ、仇である狼と友達になるのは間違いだと諭します。

それでも、がぶは他の狼とは違うと信じるめいは、友情を確かめるため、ひとり狼のねぐらへ向かうのでした。

「ぎろの部屋」

その頃、ぎろはみい姫を苦しめ、仲間の居場所を聞き出そうとしていた。
これを拒むみい姫を縛り付けたぎろは、がぶに話を聞くために立ち去って行く。
そこへがいが現れ、みい姫を救い出すのでした。

「石牢」

石牢に閉じ込められたがぶのもとへ、めいが忍び込み、二匹は再会を果たします。

狼と山羊という立場から互いに疑いを抱いていたことを打ち明け合い、本心を語り合った二匹は、改めて真実の友達であると確かめ合います。

そこへ現れたぎろは、自らがめいの母の仇であることを明かし襲いかかりますが、がいが現れ、槍の穂先を証拠に、がぶの父を殺した真犯人もぎろであると暴きます。
悪事を知られたぎろは戦いを仕掛け、山羊と狼の争いが始まります。

混乱の中、がいから父の形見である首飾りを託されたがぶは、めいと共に逃げ出しますが、がいはぎろに討たれ、ぎろは二匹を追って行くのでした。

舞台狭しと繰り広げられる立廻り、廻り舞台を使った演出が見どころ!

「ふたつの影」

ぎろたちから逃れるため、がぶとめいは行き先も定まらぬまま雪深い山をさまよいます。
そこへぎろが追いつき、がぶは必死にめいを守って戦いますが、激しい争いの末、ぎろは谷へ二人は雪崩に巻き込まれてしまうのでした。

雪崩の後、ひとり目を覚ましためいの前に、記憶を失ったがぶが現れめいを獲物として食べようとします。しかし、めいが放った「あらしのよるに」という言葉をきっかけに、がぶの記憶はよみがえります。

がぶは友達を食べようとした自分を悔やみますが、それでもめいはがぶを友達と呼び続けます。
そこへおじじとみい姫が現れ、二匹は挨拶を交わし、これからもずっと友達として生きていくことを誓うのでした。

最後の幕を引っ張って閉めるめいがなんともかわいいです!

歌舞伎『あらしのよるに』を観て

当たり役など

上演回数が少ないので特に当たり役はないです。

鑑賞レーティング

総合満足度 ★★★★★★★★★☆
初心者おすすめ度 ★★★★★★★★★★
見どころの密度 ★★★★★★★★★☆
心に残る度 ★★★★★★★★☆☆
再観たい度 ★★★★★★★★★★

「※評価は個人の好みが反映されています」

子供さんから大人まで、初めて見る方にもぜひおすすめします。

かぶしげオススメの席の選び方

舞台全体を観るなら中央7~9列目あたりいわゆる『とちり席』2階最前列『天覧席』

役者さんが客席降りされることが多いので1階席の通路側だとそばを通ることがあるかもしれません。

花道を使うことが多い演目なので『花横』もおすすめ。

めいが膝の上にすわるかも?!

秘密の草原に行くときに客席降りがあるんですが青線のルートを通って8列目前後の客席の間を通り
途中でお客さんの膝の上で休憩したりします。

歌舞伎あらしのよるにの席

まとめ

子どもが小さい頃に読み聞かせていた絵本が原作の歌舞伎だったこともあり、一緒に観劇した子どもたちも楽しんでくれた、思い出深い演目でした。

新作歌舞伎は映像化の機会が限られるため、思い出の作品を手元に残せているのは嬉しいことです。

改めて映像で振り返ると、随所に歌舞伎ならではの演出が巧みに取り入れられた、完成度の高い作品であることを実感します。
南座で観た際、客席に広がった大きな拍手の光景が、今も強く心に残っています。

詳しいお話は

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