毎年夏の恒例公演として親しまれている八月納涼歌舞伎。
2026年も歌舞伎座で、怪談、人情喜劇、白浪物、舞踊と、歌舞伎の魅力を幅広く楽しめる演目が揃いました。
第一部では夏にぴったりの怪談「牡丹燈籠」、第二部では落語を原作とした人気作「らくだ」と白浪物の新作、第三部では坂東玉三郎による美しい舞踊作品が上演されます。
今回は各演目のあらすじや見どころ、配役をご紹介します。
公演概要
八月納涼歌舞伎
期間:2026年8月2日(日)~8月26日(水)
休演日:8月10日(月)、8月18日(火)
劇場:歌舞伎座
チケット発売予定日:2026年7月14日(火)
第一部:午前11時~
第二部:午後3時10分~
第三部:午後7時~
第一部の演目
怪談 牡丹燈籠(かいだん ぼたんどうろう)
主な配役
伴蔵:坂東巳之助
お峰:尾上右近
お国:坂東新悟
宮野辺源次郎:中村橋之助
萩原新三郎:市川染五郎
お露:尾上辰之助
飯島平左衛門:河原崎権十郎
山本志丈/馬子久蔵:松本幸四郎
ざっくりあらすじ
三遊亭円朝の名作怪談をもとにした人気演目です。
新三郎に恋焦がれながら命を落としたお露は、乳母のお米とともに幽霊となって現れます。再会を喜ぶ新三郎でしたが、やがて二人の正体を知ることに。一方、お露の継母お国と源次郎による陰謀や殺人事件も絡み合い、人間の欲望と怪異が交錯する物語が展開します。
見どころ
- 牡丹燈籠を手にしたお露が現れる幻想的な名場面
- 怪談だけではない濃密な人間ドラマ
- 染五郎、新悟、右近ら若手花形による競演
- 夏の納涼歌舞伎らしい涼やかな恐怖
第二部の演目
眠駱駝物語らくだ
主な配役
紙屑買久六:中村勘九郎
手斧目半次:松本幸四郎
家主女房おいく:笹野高史
駱駝の馬太郎:片岡市蔵
家主佐兵衛:坂東彌十郎
ざっくりあらすじ
乱暴者として知られた「らくだ」こと馬太郎が急死したことから始まる騒動を描いた落語原作の名作。
半次に巻き込まれた紙屑買いの久六が、葬式の準備や近所とのやり取りに翻弄されながら大騒動を繰り広げます。
見どころ
- 落語ならではのテンポの良い会話劇
- 勘九郎と幸四郎の掛け合い
- 客席を笑いで包む痛快な人情喜劇
- 納涼歌舞伎らしい気軽に楽しめる一作
百千鳥沖津白浪(ももちどりおきつしらなみ)鬼神のお松
主な配役
鬼神のお松:中村七之助/尾上右近
夏目四郎次郎:中村米吉
主水妹藤浪:中村虎之介
下部柴平:中村歌之助
盗賊小助実は木鼠:中村福之助
篠原一学:中村歌昇
夏目四郎太郎:中村扇雀
ざっくりあらすじ
盗賊や武士たちが織りなす白浪物。鬼神のお松を中心に、それぞれの思惑が交差しながら物語が展開していきます。
見どころ
- 本興行では62年ぶり
- 白浪物らしい啖呵や見得
- 七之助と右近が演じる鬼神のお松
- スピード感ある物語展開
第三部の演目
舞鶴雪月花(ぶかくせつげっか)
主な配役
桜の精:中村七之助
松虫:中村勘太郎
松虫:中村長三郎
雪達磨:中村勘九郎
ざっくりあらすじ
桜、月、雪を題材に、日本の四季の美しさを舞踊で表現した幻想的な作品です。
見どころ
- 四季を描く華やかな舞台美術
- 七之助、勘九郎らによる美しい舞踊
- 物語よりも舞踊美を堪能できる演目
- 夏の夜にふさわしい幻想的な世界観
雪(ゆき)
配役
坂東玉三郎
ざっくりあらすじ
長唄舞踊の名作「雪月花」の一つ。
降り積もる雪のような静かな情緒を描いた格調高い舞踊です。
見どころ
- 坂東玉三郎の円熟した女方芸
- 静寂の中に宿る美しさ
- 日本舞踊の魅力を存分に味わえる作品
残月(ざんげつ)
配役
坂東玉三郎
ざっくりあらすじ
夜空に残る月を題材にした幻想的な舞踊作品。月明かりの世界を繊細に描き出します。
見どころ
- 玉三郎ならではの優雅で気品ある舞
- 幻想的な舞台美
- 納涼歌舞伎の締めくくりにふさわしい余韻

今回の八月納涼歌舞伎の特徴
2026年の八月納涼歌舞伎は、「怪談・喜劇・白浪物・舞踊」という納涼歌舞伎らしい多彩なジャンルが揃った公演です。
第一部では夏の風物詩ともいえる怪談「牡丹燈籠」、第二部では笑いに満ちた「らくだ」と華やかな白浪物、第三部では坂東玉三郎による格調高い舞踊作品が並びます。
若手からベテランまで幅広い俳優陣が出演し、歌舞伎のさまざまな魅力を一度に味わえる充実のラインナップとなっています。怪談で涼を感じ、喜劇で笑い、舞踊で美を堪能する――夏の歌舞伎座ならではの公演といえるでしょう。




コメント