セリフで魅せる!弁天娘女男白浪の見どころとあらすじ

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2010年3月 
建て替え前の歌舞伎座に別れを告げる「さよなら歌舞伎座」公演。
その舞台で上演された、尾上菊五郎、菊之助、中村吉右衛門、松本幸四郎による『弁天娘女男白浪をDVDで鑑賞しました。

白浪五人男は、もともとの本外題を『青砥稿花紅彩画(あおとぞうし はなのにしきえ)』といい、全3幕9場からなる河竹黙阿弥の作品です。
その中でも人気の高い「浜松屋」「稲瀬川勢揃い」の2場面だけを上演する場合、外題は『弁天娘女男白浪(べんてんむすめ めおのしらなみ)』となり、通称「弁天小僧」と呼ばれています。

本作は、歌舞伎の世話物の中でも特に人気が高く、
盗賊を主人公にした「白浪物」と呼ばれるジャンルを代表する名作です。

ズバリ先に申し上げておきやしょう!
かぶしげ的初心者さんへのおすすめ度は★5!
一度観てみておくんなせぇ

目次

『弁天娘女男白浪(べんてんむすめ めおのしらなみ)』のあらすじ

物語の伏線となる「浜松屋見世先の場」

たちの悪そうな男(実は忠信利平)が品物の催促に来ますが何やら怪しげな様子
店の者たちがそんな話をしていると
花道から若党四十八(よそはち)を供に連れた美しい武家娘・早瀬主水(はやせもんど)の息女お浪が買い物に来ます。

若党四十八とお浪が花道でひとつひとつ説明しながら、気前よく現れてくれやすんで

品物を選ぶうちに、胸元から自分の鹿子を出し、そっと鹿子の布を胸元に入れ盗んだように見せかけます、
番頭は、万引きと思い込みお浪の懐から布を取り出し、怒って娘の額をそろばんでたたきます。
しかし四十八の話から、鹿子は他の店、山形屋の品であったことが分かります。

うまくばれる塩梅に、ちゃっかりすり替えてるって寸法でさぁ。

取り返しのつかない失敗に、店の者たちは青ざめます。
そこへ戻ってきた若旦那・宗之助が四十八に詫びますが、四十八は店主・浜松屋幸兵衛を呼び出し、お浪の額についた傷を理由に、法外な金を要求します。

番頭衆も、ちと軽はずみでござんしたなぁ。

鳶頭も憤慨して啖呵を切りますが、店主の幸兵衛は事を荒立てまいとし、四十八の言い分どおり百両を出して詫びるのでした。

鳶頭が腹を立てて啖呵を飛ばす、その勢いが実に見ものでござんす。

金を受け取り、立ち去ろうとするお浪と四十八を、店の奥に居合わせた侍・玉島逸当(たましまいっとう)が呼び止めます。
逸当は二人を偽物
だと見抜き、さらに、ふと見えた腕の刺青を証拠に、お浪が男であることを暴きます。

図星を突かれた二人は、そこで一転、荒っぽい本性を現すのでした。

弁天娘の名乗り、こいつぁこの場の一番の見せ場でさぁ。

女装していた盗賊の正体は、江ノ島の稚児上がりの弁天小僧菊之助
四十八と名乗っていたのは、その兄貴分である南郷力丸でした。

名を明かした二人は、「ここから追い出せ」居直って悪態をつきますが、幸兵衛は、弁天が受けた傷の薬代として二十両を差し出します。
しぶる弁天娘南郷がなだめ、二人はようやくその場を後にするのでした。

玉島逸当にせっつかれるように出ていきやすが、どうにも訳ありの風情でさぁ。

浜松屋を出た二人は、今日の稼ぎを山分けして上機嫌になります。
道すがら、騙りの道具として使った重い武家の衣装を持つのを嫌がり、坊主が来たら交代で運ぶ「坊主持ち」をして、ふざけ合いながら帰っていきます。

坊主が行ったり来たりするもんで、二人はふざけながら店を後にしやす。

一方、浜松屋では、逸当を奥座敷へ案内し、もてなしの支度が始まるのでした。

この場すべてが美しい!「稲瀬川勢揃いの場」

実は逸当の正体こそ、弁天娘南郷の頭(かしら)である大盗賊、日本駄右衛門でした。
彼らを捕らえようとする捕手たちは、迷子探しを装いながら、稲瀬川でひそかに待ち伏せしています。

やがて、弁天娘を先頭に、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸、そして駄右衛門――
白浪五人男が稲瀬川へと現れます。

実はこのときの着物ぁ、浜松屋の見世先でせっついてた、あの品だったんでさぁ。

勢ぞろいした五人は、少しもひるむことなく、一人ずつ名乗りを上げ、捕手たちと堂々と渡り合い絵面の見得で幕となります。

主な登場人物

弁天小僧菊之助(べんてんこぞう きくのすけ)

白浪五人男の一人で、物語の中心人物。
女装して浜松屋で騙りを働く。正体を見破られると、名台詞とともに本性を現す、美と荒々しさをあわせ持つ盗賊。

南郷力丸(なんごう りきまる)

弁天娘の兄貴分。
「四十八」と名乗って弁天とともに騙りを仕掛ける。
面倒見がよく、弁天娘をなだめるなど、現実的で頼れる存在。

日本駄右衛門(にっぽん だえもん)

白浪五人男の頭(かしら)。
浜松屋では侍・玉島逸当と名乗り、弁天たちの正体を見抜く。実はすべてを見通す大盗賊の親玉。

忠信利平(ただのぶ りへい)

白浪五人男の一人。
冷静で落ち着いた立ち回りを見せる盗賊で、勢揃いの場では貫禄ある名乗りを上げる。

赤星十三郎(あかぼし じゅうざぶろう)

白浪五人男の一人。
勢いのある性格で、五人の中でも派手な存在感を放つ。

浜松屋幸兵衛(はままつや こうべえ)

鎌倉の呉服屋・浜松屋の店主。
事を荒立てることを嫌い、金で穏便に収めようとする、商人らしい人物。

宗之助(そうのすけ)

浜松屋の若旦那
店の不始末を詫び、騒動の中で右往左往する、気の弱い立場の人物。

弁天娘女男白浪を観て

当たり役など

当たり役
尾上菊五郎

おすすめ
尾上菊五郎 (八代目)=尾上菊之助 (四代目)

見どころ

弁天小僧の正体が明かされる瞬間

女装から一転、腕の刺青がのぞき、弁天小僧が名乗りを上げる場面は本作最大の山場
美しさと荒々しさが同時に立ち上がる、歌舞伎ならではの名シーンです。
七五調のリズムの名乗り口上も絶品。
ブログの最後に弁天娘菊之助名セリフを書いてあります。

稲瀬川勢揃いの華やかさ

五人男が並んで名乗る「稲瀬川勢揃い」の場面は、粋とロマンの集大成。
衣裳、立ち姿、構図の美しさがそろう、絵面の見得が美しい。

鑑賞レーティング

総合満足度 ★★★★★★★★★★
初心者おすすめ度 ★★★★★★★★★★
見どころの密度 ★★★★★★★★★☆
心に残る度 ★★★★★★☆☆☆☆
再観たい度 ★★★★★★★★☆☆

「※評価は個人の好みが反映されています」

かぶしげオススメの席の選び方

舞台全体を観るなら中央7~9列目あたりいわゆる『とちり席』2階最前列『天覧席』

花道そばも

花道がよく使われるのでご贔屓の役者さんがいらっしゃれば『花道脇』『どぶ席』もオススメ
稲瀬川勢揃いの場ときに結構長い間七三いるのでそれだけでも花脇で見る価値大!!

弁天小僧菊之助の名台詞

知らざあ言って 聞かせやしょう
浜の真砂と 五右衛門が
歌に残せし 盗人(ぬすっと)の
種は尽きねぇ 七里ヶ浜
その白浪の 夜働き
以前を言やぁ 江ノ島で
年季勤めの 児ヶ淵(ちごがふち)
江戸の百味講(ひゃくみ)の 蒔銭(まきせん)を
当てに小皿の 一文字 (いちもんこ)
百が二百と 賽銭の
くすね銭せぇ だんだんに
悪事はのぼる 上の宮(かみのみや)
岩本院で 講中の
枕捜しも 度重なり
お手長講と 札付きに
とうとう島を 追い出され
それから若衆(わかしゅ)の 美人局(つつもたせ)
ここやかしこの 寺島で
小耳に聞いた 祖父(じい)さんの
似ぬ声色(こわいろ)で 小ゆすりかたり
名せぇ由縁(ゆかり)の 弁天小僧
菊之助たぁ 俺がことだ

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