連獅子を観た感想|十八代目中村勘三郎・勘九郎・七之助 親子共演の毛振りが圧巻【観劇レビュー】
2010年4月
建て替え前の歌舞伎座に別れを告げる「さよなら歌舞伎座」御名残四月大歌舞伎公演。
その舞台で上演された、中村勘三郎、勘九郎、七之助の親子によるによる『連獅子』をDVDで鑑賞しました。
連獅子の詳しいあらすじはこちらで
▶連獅子(れんじし)あらすじ、登場人物解説
連獅子ってどんな歌舞伎?
連獅子(れんじし)は歌舞伎を代表する獅子物のひとつ。
詳しいあらすじ・登場人物・成立の背景は上記リンクの解説記事に譲るとして、このページでは実際にDVDで観た者の目線から、印象に残った場面や感想を中心に綴っていきます。
大きく3部に分かれていて
1部目では、やがて獅子の精へと姿を変える親の狂言師と、その子である狂言師が、息の合った舞を見せてくれます。
2部目は狂言『宗論(しゅうろん)』。宗教観の違いを題材に、狂言師たちが軽妙なやり取りで客席を和ませてくれます。
3部目親子の狂言師が獅子の精となり舞いを披露。このシーンが一番の見どころで、テレビなどで観たことあるシーンではないでしょうか。
獅子の精になってからの、長く美しい毛を豪快に振る「毛振り」が最大の見どころで、今回は勘九郎さん七之助さんと子獅子が二人なので勘三郎さんと親子三人が並んで舞う場面は圧巻の迫力でした、初めて観る人でも強く印象に残るシーンです。
連獅子の主な登場人物
狂言師後に親獅子の精:中村勘三郎
前半では狂言師として登場し、後半で親獅子の精となる役です。
白い手獅子を持ち、威厳ある親獅子を表します。
狂言師後に仔獅子の精:中村勘九郎 中村七之助
前半では狂言師として登場し、後半で仔獅子の精になります。
赤い手獅子を持ち、若く勢いのある獅子を表す役です。
僧蓮念:中村橋之助
法華宗の僧で、「南無妙法蓮華経」とお題目を唱えます。
団扇太鼓を打ちながら、宗教の教えのすばらしさを陽気に語り、客席を盛り上げるます。
僧遍念:中村扇雀
浄土宗の僧で、「南無阿弥陀仏」の念仏の御利益を説きます。
叩き鉦を鳴らしながら蓮念と張り合い、宗派の違いをユーモラスに表現しています。

間狂言が済んだあとは、がらりと趣が変わって、迫力満点の舞踊へ――この流れこそ『連獅子』の大きな魅力でさぁ。
連獅子を観ての感想
当たり役など
当たり役
六代目尾上菊五郎
十八代目中村勘三郎
連獅子を観て感じたみどころ
子獅子の一休み
崖から落とされた子獅子は、何度も登ろうと挑みますが、途中で谷底(花道)に腰を下ろし、少しだけ一休みします。
力尽きそうになりながらも、また立ち上がる姿が印象的で、とても心に残る、かぶしげお気に入りの場面です。
花道の出で息をのんだ瞬間
間狂言のあと、親子の獅子は一度花道へ姿を見せ、いったん後ろ足で引っ込んだかと思うと、すぐに再び登場します。
とくに、ものすごいスピードで後ろ歩きしながら下がっていく所作が見事で、思わず目を奪われる名場面です。
圧巻だった親子三人の毛振り
親と子の息の合った毛振りは、まさに歌舞伎ならではの迫力です。
とくに今回は子獅子が二人ということもあり、その迫力は格別。長く美しい毛を舞台いっぱいに振り広げる姿は、ただただ圧巻のひと言です。
子獅子が二人そろって登場する『連獅子』を、ぜひ一度、目の前で観てみたいものですね。
肩の力が抜ける『宗論』の掛け合い
前半と後半の間に上演され、重厚な舞踊の合間に観客を和ませる。
法華宗と浄土宗の僧が宗旨の優劣を競い、題目と念仏を取り違えるコミカルな場面。
清涼山を目指してたまたま道連れになった二人の僧が繰り広げる宗旨争いのとぼけたおもしろみも
大薩摩とともに情景描写にも一役買ってます。
所作板に響く足拍子の音
勇壮な舞を演出する所作板(しょさいた)での足拍子の音が舞台に響き渡り、かなり迫力があります。
\ここをクリック/
所作板とは?
歌舞伎で舞踊を上演する際、花道から本舞台にかけて長方形の板を一面に敷き詰めた舞台を「所作舞台」と呼びます。
舞踊のことを「所作事(しょさごと)」と呼ぶことから名づけられたものです。
所作舞台に使われる所作台は、一枚がおよそ三尺×十二尺、高さは四寸ほど。
なめらかな檜板で作られており、ほどよい弾力があるため、俳優が踊りやすいよう工夫されています。
また、足を踏み鳴らしたときに響く「トーン!」という音も大きな魅力のひとつ。
この足拍子の音は、舞踊にリズムと迫力を与える重要な効果音として、見どころのひとつになっています。
歌舞伎をもっと楽しむためのおすすめ本
歌舞伎は、あらすじや登場人物を少し知ってから観劇すると、面白さが何倍にも広がります。
当サイトでも作品の見どころや背景を詳しく解説していますが、「もっと歌舞伎について知りたい」「自宅でも学びたい」という方には、初心者にも読みやすい入門書がおすすめです。
今回は、歌舞伎の基本から演目の魅力まで楽しく学べる2冊をご紹介します。
マンガで教養 やさしい歌舞伎鑑賞
歌舞伎の歴史や約束事、舞台の見方などをマンガとイラストでわかりやすく解説した入門書です。
「歌舞伎って難しそう…」という方でも読み進めやすく、初めて観劇する前の予習にもぴったり。基礎知識を身につけたい方におすすめの一冊です。
歌舞伎の101演目 解剖図鑑
人気演目のあらすじや見どころを、豊富なイラストとともに紹介した一冊です。
代表的な演目を幅広く知ることができるため、「次はどの作品を観ようかな」と考えている方や、観劇後に作品を振り返りたい方にも役立ちます。
鑑賞レーティング
総合満足度 ★★★★★★★★★☆
初心者おすすめ度 ★★★★★★★★☆☆
見どころの密度 ★★★★★★★★☆☆
心に残る度 ★★★★★★☆☆☆☆
再観たい度 ★★★★★★★★☆☆
「※評価は個人の好みが反映されています」
かぶしげオススメの席の選び方
舞台全体を観るなら中央7~9列目あたりいわゆる『とちり席』2階最前列『天覧席』
花道そばも◎
獅子の出る時に花道がよく使われるのでご贔屓の役者さんがいらっしゃれば『花道脇』『どぶ席』もオススメ
花道で子獅子が一休みしてるところ越し舞台を見られるどぶ席も価値大!







毛振りの豪快さに足拍子の迫力、百聞は一見。劇場で味わってもらいてぇもんでさぁ!
執筆時点の上演予定
平成中村座 十月大歌舞伎
公演期間
2026年10月1日(木)~25日(日)
劇場
平成中村座(東京・浅草寺本堂裏の仮設劇場)
チケット
一般発売中(2026年8月7日発売開始)
第一部(午前11時~)で上演されます。
今回は中村勘九郎・勘太郎・長三郎の親子3人が同じ舞台に立つ、初めての『連獅子』共演。芸が親から子へ受け継がれていく、中村屋ならではの特別な舞台になりそうです。
配役
| 狂言師右近後に親獅子の精 | 中村 勘九郎 |
| 狂言師左近後に仔獅子の精 | 中村 勘太郎 |
| 狂言師左近後に仔獅子の精 | 中村 長三郎 |
詳しい演目・配役・チケット情報は、下記の記事でまとめて解説しています。






歌舞伎が初めての方へ
歌舞伎自体が初めてだと「どう観ればいいの?」と迷うこともあるかもしれません。
歌舞伎には独特の約束ごとや表現がありますが、基本を少し知っておくだけで、面白さがぐっと伝わりやすくなります。
歌舞伎とは?初心者向けにわかりやすく解説


観劇の前に用意しておきたいもの
これから足を運ぶ方に向けて、持っていくと体験が変わるものをまとめました。
どれも一度使うと手放せなくなるものです。
コミック版『国宝』
歌舞伎俳優の半生を描いた作品のコミック版です。
舞台の場面が絵で描かれるため、観劇のイメージづくりにも向いています。
観劇用の双眼鏡(カブキグラス)
三階席や幕見席からでも表情や手元まで追えるよう作られた双眼鏡です。
初めての観劇こそ一本あると満足度が上がります。
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硬めの椅子で数時間を過ごすと、後半は集中しづらくなります。
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