2026年9月、歌舞伎座で恒例の「秀山祭九月大歌舞伎」が上演されます。
秀山祭は、初世中村吉右衛門の俳名「秀山」にちなむ特別興行です。
古典歌舞伎の名作を中心に上演されることから毎年人気が高く、「今年はどんな演目なのか」「誰が出演するのか」を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
2026年は華やかな舞踊作品『春調娘七種』『三社祭』から始まり、義太夫狂言の名作『ひらかな盛衰記』、夜の部には歌舞伎屈指の人情劇『沼津』や人気狂言『一條大蔵譚』など、バラエティ豊かなラインナップとなりました。
若手からベテランまで豪華な俳優陣が出演し、歌舞伎を初めて観る方はもちろん、何度も劇場へ足を運んでいるファンにも見応え十分の公演です。
この記事では、昼の部・夜の部それぞれの演目や配役、見どころを詳しく紹介します。


秀山祭九月大歌舞伎 公演概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公演名 | 秀山祭九月大歌舞伎 |
| 会場 | 歌舞伎座 |
| 公演期間 | 2026年9月2日(水)~9月26日(土) |
| 休演日 | 9月9日(水)、9月18日(金) |
| 昼の部 | 午前11時開演 |
| 夜の部 | 午後4時開演 |
| 一般発売 | 2026年8月14日(金) |
2026年秀山祭の注目ポイント
今年の秀山祭は、舞踊・時代物・世話物がバランスよく並んだ構成になっています。
特に注目したいのは、若手俳優の活躍です。市川染五郎、市川團子、尾上辰之助らが昼夜を通して重要な役を務め、公演全体に若々しいエネルギーを与えています。
一方で、松本幸四郎、尾上松緑、片岡仁左衛門、中村雀右衛門ら実力派が脇を固めており、世代を超えた共演も見どころの一つです。
昼の部は華やかな舞踊作品から重厚な義太夫狂言へ、夜の部は感動的な人情劇から人気時代物まで楽しめる構成となっており、一日を通して歌舞伎の魅力を味わえる公演と言えるでしょう。
昼の部
一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)
秀山祭の幕開けを飾るのは、曽我兄弟と静御前を題材にした長唄舞踊『春調娘七種』です。
物語性よりも舞踊の美しさを味わう作品で、華やかな衣裳や優雅な所作が魅力。
新春に上演されることも多い演目ですが、秀山祭でも華やかな幕開けとして上演されます。
今回は市川染五郎、市川團子、尾上辰之助という若手花形3人が顔をそろえ、今後の歌舞伎界を担う世代の競演にも注目です。
配役
| 役名 | 出演 |
|---|---|
| 曽我五郎 | 市川染五郎 |
| 曽我十郎 | 市川團子 |
| 静御前 | 尾上辰之助 |
見どころ
『春調娘七種』は難しい物語を理解しなくても楽しめる作品です。
曽我兄弟の勇ましさと静御前の優美さが対照的に描かれ、若手俳優それぞれの踊りの個性も見どころとなります。
歌舞伎初心者にもおすすめ度:★★★★★
二、三社祭(さんじゃまつり)
続いて上演される『三社祭』は、浅草神社の祭礼を題材にした人気舞踊です。
悪玉と善玉という対照的な二人が、躍動感あふれる踊りを披露する歌舞伎舞踊の代表作で、軽快なテンポとユーモラスな演出が魅力です。
配役
| 役名 | 出演 |
|---|---|
| 悪玉 | 中村歌昇 |
| 善玉 | 中村種之助 |
見どころ
歌舞伎を初めて観る方におすすめしたい演目の一つです。
物語を知らなくても楽しめるうえ、悪玉と善玉の踊りの違いや表情の変化を見るだけでも十分楽しめます。
祭りの賑やかな雰囲気が舞台いっぱいに広がり、歌舞伎らしい華やかさを味わえる作品です。
歌舞伎初心者にもおすすめ度:★★★★★
三、ひらかな盛衰記(ひらがなせいすいき)
昼の部最大の見どころとなるのが『ひらかな盛衰記』です。
今回は
- 大津宿屋
- 笹引き
- 逆櫓
の三場が上演されます。
『ひらかな盛衰記』は、平家滅亡後の時代を舞台に、武士の忠義や親子の情を描く義太夫狂言の代表作です。
特に「逆櫓」は現在でも人気が高く、松本幸四郎演じる樋口次郎兼光と、尾上松緑演じる畠山重忠との緊張感あふれるやり取りが大きな見どころとなります。
「大津宿屋」「笹引き」配役
| 役名 | 出演 |
|---|---|
| 腰元お筆 | 八代目尾上菊五郎 |
| 鎌田隼人 | 中村錦之助 |
| 番場の忠太 | 中村萬太郎 |
| 駒若丸 | 中村秀乃介 |
| 船頭権四郎 | 中村又五郎 |
| およし | 中村雀右衛門 |
「逆櫓」配役
| 役名 | 出演 |
|---|---|
| 船頭松右衛門 実は樋口次郎兼光 | 松本幸四郎 |
| 畠山重忠 | 尾上松緑 |
| お筆 | 八代目尾上菊五郎 |
| 船頭明神丸富蔵 | 市川染五郎 |
| 船頭灘吉九郎作 | 尾上辰之助 |
| 船頭日吉丸又六 | 市川團子 |
| 遠見の松右衛門 | 中村種太郎 |
| 駒若丸 | 中村秀乃介 |
| 畠山の臣 | 澤村宗之助 |
| 畠山の臣 | 大谷廣太郎 |
| 畠山の臣 | 市川男寅 |
| 畠山の臣 | 中村吉之丞 |
| 所化雲念 | 松本錦吾 |
| 船頭権四郎 | 中村又五郎 |
| およし | 中村雀右衛門 |
見どころ
『ひらかな盛衰記』は、歌舞伎らしい重厚なドラマを楽しみたい方におすすめの作品です。
中でも「逆櫓」は、樋口次郎兼光が忠義と人情の狭間で葛藤する姿が描かれ、義太夫狂言ならではの重厚な台詞回しと緊迫した場面展開が続きます。
今回は尾上松緑、松本幸四郎、八代目尾上菊五郎、中村雀右衛門ら実力派がそろい、見応えのある舞台になりそうです。
昼の部はこんな人におすすめ
昼の部は、歌舞伎らしい華やかな舞踊から、本格的な時代物まで幅広く楽しめる構成です。
特に初めて歌舞伎を観る方には、『春調娘七種』や『三社祭』で歌舞伎の華やかさを体感し、その後『ひらかな盛衰記』で重厚なドラマを味わえるため、歌舞伎の魅力を一度に楽しめる内容となっています。
夜の部
一、雛鶴三番叟(ひなづるさんばそう)
夜の部の幕開けは、おめでたい雰囲気に包まれた舞踊『雛鶴三番叟』です。
三番叟は五穀豊穣や天下泰平を祈る祝祭的な演目として知られていますが、『雛鶴三番叟』は優雅さと華やかさを兼ね備えた作品。
短い演目ながら、格式ある舞踊の美しさを堪能できます。
配役
| 役名 | 出演 |
|---|---|
| 翁 | 中村魁春 |
| 千歳 | 中村雀右衛門 |
| 三番叟 | 中村萬壽 |
見どころ
三番叟は、足拍子や鈴を使った舞が特徴で、劇場全体が厳かな空気に包まれます。
華やかな幕開けとしてだけでなく、歌舞伎舞踊の様式美を味わえる一幕です。
初心者おすすめ度:★★★★☆
二、伊賀越道中双六「沼津(ぬまづ)」
夜の部最大の見どころと言っても過言ではないのが『沼津』です。
歌舞伎の数ある演目の中でも屈指の人情劇として知られ、親子の情愛や運命の皮肉を描いた名作。
歌舞伎をあまり知らない方でも、物語に引き込まれやすい作品です。
今回はAプロ・Bプロで主演が変わるダブルキャストとなっています。
配役
| 役名 | 出演 |
|---|---|
| 呉服屋十兵衛 | 片岡仁左衛門(Aプロ)・松本幸四郎(Bプロ) |
| 平作娘お米 | 片岡孝太郎 |
| 荷持安兵衛 | 片岡松之助(Aプロ)・中村吉之丞(Bプロ) |
| 池添孫八 | 中村隼人 |
| 雲助平作 | 中村歌六 |
Aプロ出演日
9月2・3・7・8・12・13・16・17・21・22・25・26日
Bプロ出演日
9月4・5・6・10・11・14・15・19・20・23・24日
見どころ
『沼津』は、涙なしでは見られない作品として知られています。
親子でありながら互いの素性を知らずに出会う悲劇は、歌舞伎屈指の名場面です。
今回特に注目したいのは、片岡仁左衛門と松本幸四郎による十兵衛の演じ分け。
同じ役でも、役者によって人物像や舞台全体の印象が大きく変わるため、歌舞伎ファンなら見比べる楽しみがあります。
初心者おすすめ度:★★★★★
三、銘作左小刀「京人形(きょうにんぎょう)」
『京人形』は、名工・左甚五郎を主人公にした幻想的な舞踊劇です。
精巧な京人形が命を得たかのように舞う場面は、この作品最大の見どころ。
美しい舞踊と幻想的な世界観が楽しめます。
配役
| 役名 | 出演 |
|---|---|
| 左甚五郎 | 尾上松緑 |
| 京人形の精 | 中村時蔵 |
| 娘おみつ 実は義照妹井筒姫 | 尾上辰之助 |
| 栗山大蔵 | 中村吉之丞 |
| 女房おとく | 坂東新悟 |
| 奴照平 | 坂東亀蔵 |
見どころ
左甚五郎と京人形の幻想的なやり取り、美しい舞踊、豪華な衣裳など、歌舞伎ならではの様式美を味わえる作品です。
尾上松緑の重厚な演技と、中村時蔵が演じる京人形の優雅な舞にも注目したいところです。
初心者おすすめ度:★★★★☆
四、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり) 奥殿
夜の部の最後を飾るのは、『一條大蔵譚』です。
平安時代末期を舞台に、一條大蔵長成が愚かな人物を装いながら平家打倒の機会をうかがう姿を描いた人気時代物。
笑いと緊張感が巧みに織り交ぜられた作品として、多くの歌舞伎ファンに愛されています。
配役
| 役名 | 出演 |
|---|---|
| 一條大蔵長成 | 市川染五郎 |
| 吉岡鬼次郎 | 中村歌昇 |
| お京 | 中村種之助 |
| 鳴瀬 | 市川高麗蔵 |
| 八剣勘解由 | 松本幸四郎 |
| 常盤御前 | 中村雀右衛門 |
見どころ
一條大蔵長成は、表向きは愚かな人物を装いながら、実は深い知略を秘めた人物です。
前半のコミカルな場面から一転、終盤で本性を現す展開は、この作品最大の魅力。
歌舞伎らしい「見得」や緊迫感のある演技も見逃せません。
初心者おすすめ度:★★★★☆

初めて観るなら昼と夜どっち?
どちらも魅力的ですが、初めて歌舞伎を観る方には昼の部がおすすめです。
『春調娘七種』や『三社祭』は物語を詳しく知らなくても楽しめる舞踊作品で、歌舞伎ならではの華やかさを体感できます。その後に『ひらかな盛衰記』で本格的な時代物を観ることで、歌舞伎の幅広い魅力を味わえます。
一方で、物語をじっくり楽しみたい方には夜の部がおすすめです。特に『沼津』は感動的な人情劇として名高く、歌舞伎のドラマ性を存分に味わえるでしょう。
2026年秀山祭の注目ポイント
今年の秀山祭は、若手とベテランが絶妙なバランスで顔をそろえた公演です。
市川染五郎、市川團子、尾上辰之助ら若手俳優が昼夜を通して重要な役どころを務める一方、松本幸四郎、尾上松緑、片岡仁左衛門、中村雀右衛門らが舞台を支えます。
また、『沼津』ではAプロ・Bプロによる主演の演じ分けが実施されるため、複数回観劇する楽しみも生まれています。
舞踊、義太夫狂言、人情劇、時代物と、歌舞伎のさまざまな魅力を一度の公演で楽しめる点も、2026年秀山祭ならではの特徴です。
チケット情報
- 公演期間:2026年9月2日(水)~26日(土)
- 休演日:9月9日(水)、18日(金)
- 一般発売:2026年8月14日(金)
- 会場:歌舞伎座
人気公演のため、土日祝日や千穐楽近くの公演は早めの完売が予想されます。観劇を予定している方は、発売日を事前に確認しておくと安心です。
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まとめ
2026年の秀山祭九月大歌舞伎は、歌舞伎の魅力を凝縮したような豪華な演目がそろいました。
昼の部では華やかな舞踊と重厚な義太夫狂言、夜の部では涙を誘う人情劇や人気時代物を楽しめます。歌舞伎が初めての方から長年のファンまで、それぞれの楽しみ方ができる公演と言えるでしょう。
気になる演目がある方は、ぜひ個別の記事であらすじや見どころもチェックしてから観劇に臨んでみてください。




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