出石永楽館を下見してきた話|歌舞伎会当選前に見た座席・花道・奈落のリアル

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出石永楽館を下見してきた話

出石永楽館まで、車で片道3時間かけて下見に行ってきました。
まだ本番のチケットが取れると決まったわけではありません。
松竹歌舞伎会の会員ランクなので、先行販売で当落は正直五分五分。それでも「万が一取れたときに、劇場の勝手を何も知らないまま本番に臨むのは避けたい」と思い立ち、見学だけでも先にしておくことにしました。

この記事では、実際に現地を歩いて見てきた客席・花道・舞台・奈落のリアルな様子を、個人の記録として残しておきます。

目次

見学の基本情報|料金とアクセス

入館料は大人400円|受付で払って中へ

見学の受付では、大人の入館料400円を払って中に入りました。
学生や中学生以下の料金、営業時間・休館日といった見学の基本情報は、下記記事に一覧でまとめているので、訪問前にあわせて確認しておくと安心です。

車以外の行き方は?|電車・バスや飛行機でもアクセス可能、ただし最後はバス頼み

今回はぼく自身が車で片道3時間かけて向かいましたが、車がないと行けない場所ではありません。
京都・大阪方面からは特急列車と全但バスを乗り継いで片道約2時間30分、飛行機を使うなら大阪空港から但馬空港経由でもアクセスできます。

ただ、実際にルートを調べてみると、電車で行っても飛行機で行っても、最後は結局路線バスに乗り換えることになります。
最寄り駅から永楽館まではバスで約30分、但馬空港からもバスを乗り継いで45分以上かかる計算でした。
しかもこのバス、本数がそこまで多いわけではなさそうなので、乗り継ぎのタイミング次第では待ち時間が発生しそうです。

永楽館だけを目的地としてピンポイントで往復するなら公共交通機関でも問題なさそうですが、出石の城下町散策や周辺の温泉・城崎方面まで足を延ばすつもりなら、レンタカーがあった方が動きやすいだろうな、というのが下見してみての実感です。
ルートごとの詳しい所要時間や乗り継ぎは、下記記事の表にまとめているので、公共交通機関で向かう方はそちらを参考にしてください。

客席は1階最後尾でもたった13列|想像以上のコンパクトさ

永楽館の客席数が1階241席・2階131席、合計372席というのは事前記事で調べて知っていました。
それでも実際に1階の一番後ろまで歩いて数えてみると、最後尾でもわずか13列。
数字として知っているのと、自分の足で歩いて「もうここが一番奥か」と実感するのとでは、体感の小ささがまったく違いました。

大劇場に慣れていると、13列というのはワンフロアの半分にも満たない感覚です。
これなら1階のどの席に座っても、役者の表情がしっかり見える距離だろうと感じました。

後方ほど椅子が高くなる階段状の客席(※本番の配置は未確認)

客席をよく見ると、後ろの列に行くほど椅子の座面が高くなる、階段状のつくりになっていました。
前の人の頭で舞台が隠れないよう工夫されているのだと思います。
ただしこれはあくまで見学時の通常配置での話で、永楽館歌舞伎本番のときに座席や高さがそのままなのかまでは、今回の下見だけでは確認できませんでした。
本番の座席についてはチケット記事も参考にしつつ、実際に座ってみて答え合わせをしたいところです。

花道と舞台|役者との距離がめちゃくちゃ近い

花道は南座と逆勾配|鳥屋に向かって緩やかに下っていた

出石永楽館の花道

個人的に一番意外だったのが花道です。
京都・南座の花道はフラットな印象が強かったのですが、永楽館の花道は役者が出入り前に控える小部屋「鳥屋(とや)」に向かって、緩やかに下っていく傾斜がついていました。

芝居小屋によって花道の造りにここまで違いがあるとは思っていなかったので、これは現地に行かないと絶対に気づけなかったポイントです。
本番でこの傾斜のなかを役者が出てくるところを想像すると、大劇場の花道とはまた違った見え方になりそうで、ますます楽しみになりました。

舞台の高さが低く、距離感がぐっと縮まる

出石永楽館の本舞台

舞台そのものの高さも、大劇場に比べてかなり低めにつくられていました。
客席との段差が小さいぶん、目線の高さが役者に近くなり、距離感がぐっと縮まる感覚があります。
372席というコンパクトな客席数に加えて、この低い舞台高が重なることで、永楽館ならではの「役者が近い」体験になっているのだと実感しました。

実はここ、映画『国宝』のロケ地でもある

現地の案内もたくさんありますが、出石永楽館は2025年公開の映画『国宝』(李相日監督・吉沢亮主演)のロケ地としても使われた場所でした。
劇中の「二人藤娘」の場面は、まさにこの永楽館の舞台で撮影されたそうです。
実際に自分の足で花道を歩き、低い舞台に立ってみると、あの名場面がここで撮られたのかと思って、歌舞伎ファンとしても映画ファンとしても妙に感慨深いものがありました。
映画に登場する歌舞伎演目については、下記の記事で詳しく解説しています。

見学ルールと奈落見学

見学は土足厳禁|靴を脱いで上がる芝居小屋

出石永楽館は土足厳禁

永楽館は見学の際、土足厳禁で靴を脱いで館内に上がる形式でした。
木造2階建ての芝居小屋らしい、床の感触や空気感を直接味わえるのも魅力のひとつです。
これから見学や観劇で訪れる方は、脱ぎ履きしやすい靴や、靴下の状態を意識しておくと安心だと思います。

奈落もじっくり見学|すっぽんの下・廻り舞台の下まで見える

出石永楽館の奈落

今回の下見で一番テンションが上がったのが、地下の奈落見学です。
役者がせり上がってくる仕掛け「すっぽん」の真下や、舞台を回転させる廻り舞台の機構を、下から実際にのぞき込むことができました。
普段客席から見ている舞台機構が、裏側からはこんな構造になっているのかと、歌舞伎ファンとしてはかなり興奮するポイントです。

奈落は近代的な大劇場ではなかなか間近で見る機会がないので、見学だけでも十分に来た価値があったと感じました。

歌舞伎会会員として、この下見をどう本番に活かすか

まだ永楽館歌舞伎のチケットが取れると決まったわけではありませんが、今回の下見で客席・花道・舞台・奈落のイメージがはっきりつかめたのは大きな収穫でした。
もし先行販売や一般発売で無事に取れたら、13列しかない1階の距離感や、鳥屋に向かって下る花道の傾斜を思い出しながら、本番の座席選びに活かしたいと思っています。

正直、日帰りで行けるかどうかはまだ悩み中

ここは正直に書いておきます。
本番に実際に行けるかどうかは、まだ半分くらい迷っています。
仕事の休みの都合でどうしても日帰り一択になるのですが、今回のアクセス調べで、電車ルートも飛行機ルートも最後はバス乗り継ぎで、しかもバス自体の本数がそう多くないことがわかったからです。

下見は車で片道3時間だったので日帰りでも動けましたが、本番当日は移動だけでなく観劇の時間も確保する必要があります。
乗り継ぎのタイミングが悪いと、思ったより現地滞在時間が短くなりそうで、日帰りにしては結構タイトなスケジュールになりそうだな、というのが今の率直な感触です。

それでも、今回この目で見た花道の傾斜や奈落の仕掛けを、本番の客席から確かめたい気持ちの方が正直強いです。
当選したら、電車・飛行機・車のどのルートなら日帰りでも無理がないか、もう一度時刻表とにらめっこして考えてみようと思っています。

【追記】公式チラシで「公演専用バス(新大阪駅発)」が発表された

この記事を書いたあとに公開された第十六回 永楽館歌舞伎の公式チラシを見たら、この記事でさんざん悩んでいた「電車も飛行機も最後はバス乗り継ぎ」という問題を、そのまま解消してくれる案内が載っていました。
新大阪駅前を発着する「公演専用バス」で、昼の部・夜の部それぞれに日帰り往復できる便が用意されるとのことです。

料金は片道6,500円(税込)で、要予約。
昼の部を観る日帰り便は新大阪駅前を7:30に出発して出石に10:30着、11:30開演・14:30終演予定のあと、出石を16:30に出て新大阪へ20:00頃着というスケジュールでした。
夜の部を観る日帰り便は新大阪駅前10:30発・出石13:30着、16:00開演・18:50終演予定で、出石19:30発・新大阪22:30頃着です。
行きと違う便(日曜運行のバス)を使って帰ることもでき、観劇チケットとのセット予約も受け付けているそうです。

このほか、お練り(11月3日)の日帰り便や、11月7日(土)・8日(日)に出石から豊岡駅へ向かう臨時便(片道2,000円・税込)の案内もありました。
予約受付の開始は8月31日(月)から、申し込み・問い合わせ先は「いずしトラベルサービス」(電話0796-52-4960/[email protected])です。
乗り継ぎの時刻表とにらめっこしなくても新大阪から直通バスで往復できるなら、日帰り観劇のハードルはかなり下がりそうだと感じています。

【追記】チケットの発売スケジュールも確定した

同じチラシに、チケットの発売スケジュールも載っていました。
出石永楽館の窓口販売は9月6日(日)が発売初日で、この日は永楽館の現地販売のみ。
当日朝7時から一人1枚の整理券が配られ、初日に一人が買えるのは20枚までとのことでした。

9月7日(月)からは永楽館窓口での電話予約もはじまり、同じ日にローソンチケット(Lコード53579)とイープラスでも10:00から売り出されます。
チケットホン松竹・チケットWeb松竹も9月7日発売開始、松竹直営の劇場窓口(南座・歌舞伎座・新橋演舞場)は9月9日(水)からです。
永楽館の窓口が完売しても松竹の別枠分は販売されると書かれていたので、初日に取れなくてもまだ手はありそうです。

松竹歌舞伎会の会員ランクや先行販売の仕組みについては、以下の記事にまとめています。

よくある質問(FAQ)

出石永楽館は下見(見学)だけでも行く価値がありますか?

あります。
座席数372席というコンパクトさや、花道の傾斜、奈落の舞台機構は、実際に現地を歩いてみないとわからない部分が多いです。
本番前に客席・花道・奈落の位置関係をつかんでおくと、当日の座席選びやイメージづくりに役立ちます。

永楽館の花道はどんな造りですか?

役者が出入り前に控える「鳥屋(とや)」に向かって、緩やかに下っていく傾斜がついているのが特徴です。
フラットな花道のイメージが強い方には意外に感じられるポイントだと思います。

奈落の見学はできますか?

見学時には地下の奈落まで入ることができ、すっぽん(せり上がりの仕掛け)の真下や廻り舞台を回す機構の真下も見ることができました。
見学できる範囲や公開状況は時期によって変わる可能性があるため、訪問前に公式情報を確認することをおすすめします。

見学時の服装で気をつけることはありますか?

館内は土足厳禁で、靴を脱いで見学する形式です。
脱ぎ履きしやすい靴や、靴下の状態を意識しておくと安心です。

出石永楽館は公共交通機関だけで日帰りできますか?

電車・飛行機どちらのルートで向かっても、最後は路線バスへの乗り継ぎが必要で、バス自体の本数もそう多くありません。
最寄り駅からバスで約30分、但馬空港からはバス乗り継ぎで45分以上かかるため、日帰りは不可能ではありませんが移動時間はしっかり見ておく必要があります。
永楽館以外の周辺スポットも回るなら、レンタカーの方が動きやすいと感じました。

歌舞伎が初めての方へ

歌舞伎自体が初めてだと「どう観ればいいの?」と迷うこともあるかもしれません。
歌舞伎には独特の約束ごとや表現がありますが、基本を少し知っておくだけで、面白さがぐっと伝わりやすくなります。
歌舞伎とは?初心者向けにわかりやすく解説

まとめ

片道3時間かけて出石永楽館を下見してきましたが、372席というコンパクトな客席、鳥屋に向かって下る花道の傾斜、低い舞台高、そして奈落で見た舞台機構まで、実際に現地に行かないとわからないことばかりでした。
永楽館歌舞伎のチケットが取れるかどうかはまだわかりませんし、取れたとしても休みの都合で日帰りになりそうで、正直行けるかどうかは今も悩み中です。
それでも、もし当選すれば、この下見で得たイメージを持って本番に臨みたいと思っています。

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