團十郎家に「歌舞伎十八番」があるように、成駒屋・中村鴈治郎家にもまた、その芸の粋を示す演目群があります。
それが 玩辞楼十二曲です。
初代中村鴈治郎によって撰じられたこの十作品は、上方を代表する和事を中心に構成され、成駒屋ならではの優和な演目が反映されています。
ここでは玩辞楼十二曲の演目一覧をまとめ、それぞれの詳細記事へリンクで紹介します。
目次
玩辞楼十二曲とは?
成田屋・團十郎家に
があるように
成駒屋・中村鴈治郎家にももちろん家の芸があります。
玩辞楼十二曲(がんじろうじゅうにきょく)とは、
中村鴈治郎が撰んだ、成駒屋(中村鴈治郎家)のお家芸を指します。
制定は大正10年(1921)頃。
「玩辞楼」とは、鴈治郎の名をもじった俳名に由来します。
これは、初代鴈治郎が生涯を通じて磨き上げた当り役(あたりやく)を中心に選定されたものです。
なお「当り役」といっても、
他家や他の俳優が広く手がけている演目は概ね除外する――
という考え方は、いわゆる“家の芸”に共通する特徴です。
玩辞楼十二曲演目一覧
| 演目名 | 概要 | 記事リンク |
| 河庄(かわしょう) | 恋と義理の間で揺れる人々の心のすれ違いを描いた、切ない世話物の物語 | 記事を見る |
| 時雨の炬燵(しぐれのこたつ) | ||
| 封印切(ふういんぎり) | ||
| あかね染(あかねぞめ) | ||
| 恋の湖(こいのみずうみ) | ||
| 碁盤太平記(ごばんたいへいき) | ||
| 土屋主税(つちや ちから) | ||
| 椀久末松山(わんきゅう すえのまつやま) | ||
| 藤十郎の恋(とうじゅうろうのこい) | ||
| 廓文章(くるわぶんしょう) | 廓を舞台にした上方歌舞伎の柔らかく華やかな恋と人情の物語 | 記事を見る |
| 引窓(ひきまど) | ||
| 敵討襤褸錦(かたきうち つづれのにしき) |
まとめ
玩辞楼十二曲は、
江戸の 歌舞伎十八番 のような荒事中心の体系とは異なります。
そこにあるのは――
成駒屋が大切にしてきた、上方の芸。
和事を基調とした情味 町人物を写実的に描く視点 しみじみと胸に沁みる台詞廻し 沈黙までも語る「間」の美
派手な見得や様式美ではなく、人間の弱さ、迷い、葛藤といった心の機微をどこまで深く、静かに表現できるか。
その追求こそが、玩辞楼十二曲の真髄です。
荒の芸が「力」だとすれば、玩辞楼十二曲は「情」。
歌舞伎という大きな芸の中で、
もう一つの美を体現する存在――
それが、成駒屋の玩辞楼十二曲なのです。
あわせて読みたい


歌舞伎十八番とは?演目一覧と家の芸まとめ
歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)は、江戸時代から伝わる市川宗家『成田屋』の家の芸を象徴する十八の演目です。各演目には市川家ならではの荒事(あらごと)や和…
あわせて読みたい


ジャンル別|初心者におすすめの歌舞伎名作10選
歌舞伎を観てみたいけれど、「どの演目から観ればいいのかわからない」そんな風に迷ってしまう方も多いんじゃありませんか? そこでここでは、初心者の方にもぜひ観てほ…


コメント