平成21年8月に歌舞伎座で上演された八月大歌舞伎
『六歌仙容彩』をDVDで観ました。
六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)ってどんな歌舞伎?
六歌仙容彩ってどんな演目?
六歌仙容彩(ろっかせん すがたのいろどり)は、平安時代の有名な六人の歌人「六歌仙」を題材にした、歌舞伎の華やかな舞踊作品です。
一人の役者が次々と人物を演じ分ける「変化舞踊(へんげぶよう)」の代表作で、
華やかな衣裳替えや踊りの雰囲気の違いを楽しめる演目として知られています。
六歌仙とは?
「六歌仙」とは、『古今和歌集』の序文で選ばれた六人の歌の名人のこと。
- 僧正遍照(そうじょうへんじょう)
- 文屋康秀(ぶんやのやすひで)
- 在原業平(ありわらのなりひら)
- 喜撰法師(きせんほうし)
- 小野小町(おののこまち)
- 大伴黒主(おおとものくろぬし)
本作ではこの六人を、恋愛をテーマにした物語として描いています。
六歌仙容彩のあらすじ
美女として名高い 小野小町 に、五人の男たちが次々に恋心を打ち明けます。
しかし誰の想いも届かず、恋はすべて失敗。
最後には、大伴黒主の正体が天下を狙う謀反人と明かされて幕となります。
恋の駆け引きと、それぞれの人物の個性が見どころです。

六歌仙容彩の主な登場人物
小野小町(おののこまち):中村福助
平安時代を代表する美女として知られる歌人。
本作では、五人の男たちが恋心を寄せる存在として登場します。
ただし「喜撰」の場面では登場せず、お梶が小町に見立てられます。
僧正遍照(へんじょう):坂東三津五郎
元は貴族(良岑宗貞)で、のちに僧となった歌人。
気品や知性を感じさせる人物として描かれ、格式ある雰囲気の踊りが特徴です。
『積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)』の良岑宗貞
文屋康秀(ぶんやのやすひで):坂東三津五郎
機知に富み、少し滑稽味のある人物。
軽妙で洒落た場面が多く、舞踊としても明るく親しみやすい役どころです。
在原業平(ありわらのなりひら):坂東三津五郎
六歌仙の中でも特に有名な色男。
恋多き貴公子として描かれ、優雅さと色気を見せる場面が見どころです。
喜撰法師(きせんほうし):坂東三津五郎
世俗を離れた風流人という設定ながら、どこか人間味のある人物。
この場面だけは小町ではなく、茶汲み女のお梶を相手にした世話物風の踊りになります。

喜撰法師ぁ、三津五郎家に代々受け継がれてきた、大切な踊りでさぁ。
祇園のお梶(おかじ):中村勘三郎
「喜撰」に登場する茶汲み女。
小町の代わりとして見立てられ、庶民的で親しみやすい存在として描かれます。
大伴黒主(おおとものくろぬし):坂東三津五郎
物語の最後に登場する重要人物。
当初は歌人として現れますが、やがて天下を狙う謀反人として正体が明かされ、物語を締めくくります。
『積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)』の関兵衛
▶『積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)』のあらすじはこちらへ


六歌仙容彩を観ての感想
華やかな衣裳と優雅な音楽に包まれながら、次々と人物が入れ替わっていく『六歌仙容彩』は、まさに“歌舞伎の美しさを凝縮したような舞踊”でした。
次々と姿や雰囲気が変わっていくので見ていて飽きず、音楽とともに自然と舞台の世界に引き込まれます。
変化舞踊は、まさに目と耳で楽しむ歌舞伎。
「難しそう」と感じている方こそ、まずは気軽に味わってみてほしい演目です。
六歌仙容彩のみどころ
五場目にあたる『喜撰』の江戸らしい粋
さすがは、単独で上演されることも多い演目。
雅な世界感の中で、喜撰だけは世話物風の軽やかな雰囲気。
茶汲み女お梶とのやり取りが、作品に親しみやすさとユーモアを添えています。
一人で五役を演じ分ける「変化舞踊」
最大の見どころは、ひとりの役者が次々と人物を替えて踊り分けること。
衣裳や雰囲気が一瞬で変わり、それぞれの人物の個性が鮮やかに表現されます。
華やかさからドラマへ向かう終盤
最後の黒主では舞台の空気が一変。
雛段が割れて『押し出し』で小町と黒主が出てくるといよいよクライマックス。
恋の世界から緊張感のある展開へと移り、舞踊でありながら物語性もしっかり味わえます。
鑑賞レーティング
総合満足度 ★★★★★★★☆☆☆
初心者おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
見どころの密度 ★★★★★★★☆☆☆
心に残る度 ★★★★★★☆☆☆☆
再観たい度 ★★★★★★☆☆☆☆
「※評価は個人の好みが反映されています」
かぶしげオススメの席の選び方
舞台全体を観るなら中央7~9列目あたりいわゆる『とちり席』2階最前列『天覧席』
舞踊物なので舞台全体が眺められる2階最前列『天覧席』が特にオススメ
花脇も◎
『喜撰』で花道使うのでお目当ての役者さんが喜撰法師ならアリ◯








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