これぞ歌舞伎!『暫』初心者向けのあらすじ見どころ解説

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2009年5月 
建て替え前の歌舞伎座に別れを告げる「さよなら歌舞伎座」公演。
その舞台で上演された、市川海老蔵・市川左団次らによる歌舞伎十八番の内『暫』をDVDで鑑賞しました。

歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)とは、
市川團十郎家に代々伝わる、荒事(あらごと)を中心とした代表的な十八の演目のことです。

目次

『暫』ってどんな歌舞伎?

『暫(しばらく)』は、日本のヒーローものの元祖ともいわれる、歌舞伎を代表する名作で、荒事の代表的な演目としても知られています。

歌舞伎に少し詳しい方の間では有名な作品ですが、正直なところ、
「ちょっと歌舞伎を観てみようかな?」という初心者の方にとっては、ほとんど耳にしたことのない題名かもしれません。

実は僕自身も、この演目を知ったのは、歌舞伎に興味を持ってからしばらく経ってからでした。

でも一度知ると、「ああ、これぞ歌舞伎!」と感じさせてくれる一作。
花道からの豪快な登場、隈取、見得、そして圧倒的なヒーロー感――

タイトルは知らなくても、舞台を観ればきっと心に残る。
それが『暫』という作品です。

さらに詳しいあらすじは、ここからご覧くだせぇ。

わかりやすくて痛快なヒーロー物語

『暫』は、日本のヒーローものの元祖ともいえる作品。
ストーリーはとてもシンプルで、超人的な活躍を見せる主人公に、江戸の庶民たちもきっと胸を躍らせたことでしょう。

舞台にはおおらかな空気があふれ、華やかな道具や扮装、バラエティ豊かな登場人物たちが次々と現れます。

細かい理屈は抜きにして、
「とにかく楽しい!」

そんな歌舞伎の魅力を、全身で味わえる芝居です。

「あいつが来るぞ…」という高まる期待

物語では、悪人たちが順番に現れては好き勝手に振る舞います。

観ている側は、
「やっぱりそうなのか……あいつなのか……」

と、ある人物の登場を心のどこかで待っている。

そして――
ついに、あの男が現れます。

花道から現れる圧倒的ヒーロー

主人公・鎌倉権五郎が花道から登場し、本舞台へと進んでいく。

もろ肌を脱ぐ場面では、

「アーリャー、コーリャー」

という掛け声が飛び、
見得を切ると最後に

「でっけえ!」

という声がかかる。

劇場全体の空気が一気に盛り上がる、たまらない瞬間です。

さらに、連ねの台詞もとても好きな場面。

十八番の筋隈に筋は通すは親父譲り
親父が口真似 口拍子
ちったぁ二鷹三なすび

歌舞伎らしい粋と迫力が詰まった、印象的な名台詞です。

「いーやーだー!」の痛快さ

敵方の鯰坊主(なまずぼうず)が要求を突きつけると、
権五郎は、

「いーやーだー!」

と、まるで子どものような無邪気さで言い放ちます。

この豪胆さと愛嬌が同居した感じが、なんとも痛快。
思わず笑ってしまうような爽快さがあります。

悪は徹底的に悪く、ヒーローはとことん強い

物語の最後では、権五郎が大刀を振るい、悪人たちをなで斬りにしていきます。

悪い奴はとことん悪い。
ヒーローはでっかくて、とことん強い。

その潔いほどの分かりやすさが、この芝居の大きな魅力です。

ちなみに、この舞台では
正座をしている人物は基本的に善人。

ひと目で善悪が分かるというのも、歌舞伎らしい面白い約束事です。

強烈な存在感の悪役「鯰坊主」

敵役として登場する鯰坊主も、とても印象的なキャラクター。

鬢の毛は鯰のひげのように長く伸び、
隈取も鯰のひげを思わせる形。

さらに衣裳にはタコの模様が入り、
見た目からして強烈なインパクトを放っています。

いろいろな隈取

『暫』は、紅隈(べにぐま)から鯰隈(なまずぐま)まで、さまざまな隈取が登場する演目です。
もしかすると、これほど多彩な隈取が一度に見られる作品は、ほかにあまりないかもしれません。

荒事の力強さを象徴する紅隈
敵役を印象づける独特の隈取――

それぞれの色や形には、きちんと意味があります。
隈取の違いを知ると、『暫』の楽しみはぐっと深まります。
隈取の種類や意味については、別の記事で詳しくまとめていますので、
よろしければぜひそちらもご覧ください。

歌舞伎十八番の内『暫』を観ての感想

『暫』のみどころ

もちろん「しばらく!」の声とともに花道からの登場シーン

「しばらく——!」
という声とともに、鎌倉権五郎が花道から現れる場面。

花道にどっかと座り、
権五郎が語る自己紹介「つらね」が荒事の象徴といえます。

これでもか!というほどの歌舞伎感!

『暫』には
化粧声、つらね、見得、六方、花道――
これぞ歌舞伎!と言われる要素がほぼすべて詰まってます。

「荒事って何?」
「歌舞伎らしさを一度で体感したい」

そんな人にとって、『暫』は最適な入門演目です。

鑑賞レーティング

総合満足度 ★★★★★★★★★★
初心者おすすめ度 ★★★★★★★★★☆
見どころの密度 ★★★★★★★★★★
心に残る度 ★★★★★★★★☆☆
再観たい度 ★★★★★★★★★☆

「※評価は個人の好みが反映されています」

かぶしげオススメの席の選び方

舞台全体を観るなら中央7~9列目あたりいわゆる『とちり席』2階最前列『天覧席』ですが

花道脇がおススメ

なんといっても鎌倉権五郎を!って演目ですので花道脇の4列目あたりで花道にかぶりつきましょう!!

なんといっても鎌倉権五郎を堪能してなんぼの演目ですから、花道にかぶりつきましょう!
権五郎が花道にいる間は花道と舞台を右に左に忙しく観ることになりますが、それもまた楽しい。

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