澤瀉屋(おもだかや)の次代を担う若手として、さまざまな困難を乗り越えながらも着実にキャリアを重ねているのが市川團子(いちかわ だんこ)です。
2026年にはNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」への出演も発表され、歌舞伎ファン以外からの注目もますます高まっています。
この記事では、市川團子の家系図・経歴から、澤瀉屋の次代としての活躍、大河ドラマ出演、そして素顔のエピソードまで、まとめて解説します。
混同されやすい家系図についても、できるだけ分かりやすく整理して紹介していきます。
市川團子 プロフィール・家系図
| 本名 | 香川政明(かがわ まさあき) |
| 生年月日 | 2004年1月16日 |
| 屋号 | 澤瀉屋(おもだかや) |
| 初舞台 | 2012年6月、新橋演舞場『ヤマトタケル』ワカタケル役 |
市川團子の父は、俳優としても知られる香川照之(九代目市川中車)です。
祖父は二代目市川猿翁(旧三代目市川猿之助)で、2023年9月13日、不整脈のため逝去しました。
ここで整理しておきたいのが、市川團子と市川猿之助(四代目)の関係です。
市川猿之助は、市川團子の祖父・猿翁の弟である市川段四郎(四代目)の息子にあたり、團子から見ると父方の従叔父(いとこおじ)にあたります。
つまり市川猿之助は市川團子の「父」ではなく、父・中車のいとこであり、團子にとっては父方の従叔父という関係です。
この関係性は、ニュースやSNSなどで報じられる際にも混同されやすいポイントです。
市川團子は、市川猿之助の子どもではなく、猿之助の父方の伯父にあたる猿翁の孫にあたる、という点を正しく理解しておくと、澤瀉屋の家系図全体が把握しやすくなります。
2012年6月、新橋演舞場のスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』にて、父が九代目市川中車を襲名すると同時に「五代目市川團子」を名乗り、初舞台を踏みました。
当時8歳での大きな襲名披露は、澤瀉屋の新しい世代の誕生として、大きな注目を集めました。
父・中車は、俳優「香川照之」として映画・テレビドラマで活躍してきた実績を持ちながら、2012年に歌舞伎役者としての道も歩み始めるという、異色の経歴の持ち主です。
その息子である團子もまた、幼い頃から歌舞伎の稽古に励み、澤瀉屋の芸を受け継ぐ役者として育てられてきました。
俳優から歌舞伎役者へという珍しい経歴を持つ父のもとで育ったことも、團子ならではの背景といえるでしょう。
澤瀉屋は、宙乗り(ちゅうのり、役者がワイヤーで吊られて客席上空を飛ぶ演出)や早替りなど、スペクタクル性の高い演出を得意とする一門として知られています。
スーパー歌舞伎はまさにこうした澤瀉屋の芸の集大成ともいえるジャンルで、團子もこの一門ならではの華やかな演出の中で育ってきました。
澤瀉屋を支える存在として|困難な時期を乗り越えて
澤瀉屋は2023年、一族にとって大きな試練の年となりました。
市川猿之助の実の両親が同年5月に相次いで亡くなる出来事があり、その後、澤瀉屋一門は困難な時期を経験することになりました。
同年9月には市川團子の祖父・猿翁も逝去しており、澤瀉屋にとって「60年に1度」ともいわれるほどの大きな出来事が重なった年でした。
こうした状況のなかでも、市川團子は父・中車のもとで舞台に立ち続けました。
2023年5月には、明治座150周年記念公演『不死鳥よ波濤を越えて』の昼の部で急遽代役を務め、堂々とした舞台で喝采を浴びたと伝えられています。
2024年2月には新橋演舞場のスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』で主演を務めるなど、澤瀉屋の次代を担う存在として着実に大役を任されるようになりました。
父・中車は「60年に1度の事変、再び澤瀉屋で立ち向かっていく決意をもっております」と語っており、市川團子はまさにその決意を体現する存在として、一門を支え続けています。
困難な時期にあっても着実に舞台経験を積み重ねてきたことは、若い團子にとって大きな財産になっているといえるでしょう。
2024年1月には、祖父・猿翁と大叔父にあたる市川段四郎を偲ぶ会「澤瀉屋 送る会」が開かれ、父・中車と團子が並んで出席しました。
一門にとって特別な意味を持つこの会は、澤瀉屋がこれからも歩みを止めずに前へ進んでいくという決意を、内外に示す機会になったと伝えられています。
2024年2月のスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』主演にあたっては、澤瀉屋の伝統的な決まり事(型)が、周囲の協力のもとで丁寧に團子へと伝えられたとも報じられています。
一門の芸を絶やさず、次の世代へときちんと受け継いでいくという強い意志が感じられるエピソードです。
『ヤマトタケル』は澤瀉屋にとって特別な演目であり、その主演を任されたこと自体が、團子への大きな期待の表れといえるでしょう。
2025年〜2026年の活躍|歌舞伎座から大河ドラマまで
2025年、市川團子は歌舞伎座で着実に大役を重ねました。
7月には『蝶の道行』、8月には『火の鳥』で弟・海彦役、10月には通し狂言『義経千本桜』にも出演しています。
『火の鳥』は手塚治虫の名作を歌舞伎化した演目で、若い世代にもなじみやすいテーマを扱っています。
市川染五郎との対談イベントでは、この作品のストーリーについて2人でじっくりと語り合ったことも明かされており、単なる出演にとどまらず、作品への深い理解を持って舞台に臨んでいる様子がうかがえます。
2025年11月には、俳優・小栗旬が主宰する芸能事務所「トライストーンエンタテインメント」に所属したことが発表されました。
父・中車と小栗旬の親交がきっかけになったと伝えられており、歌舞伎役者としては異例の芸能事務所所属として話題になりました。
歌舞伎役者は本来、松竹との関係の中で活動するのが一般的で、芸能事務所に所属するケースは決して多くありません。
この所属は、歌舞伎の舞台にとどまらず、映像作品や芸能界全体でのさらなる活躍を見据えた動きとして注目を集めています。
そして2026年、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に森蘭丸役で出演することが発表されました。
小栗旬演じる織田信長の小姓役という重要な役どころで、6月28日放送回から登場しています。
歌舞伎役者としての活動に加え、大河ドラマという大きな舞台でも経験を積んでいることは、今後のさらなる飛躍を予感させます。
森蘭丸は、織田信長に忠実に仕えた小姓として知られる歴史上の人物で、多くの時代劇・大河ドラマで印象的な役どころとして描かれてきました。
市川團子にとって、これが本格的なテレビドラマ出演のデビュー作にあたり、歌舞伎とはまったく異なる映像表現の現場を経験する貴重な機会になりました。
所属事務所の代表でもある小栗旬と共演したことは、團子にとっても大きな刺激になったと考えられます。
歌舞伎の舞台で培ってきた表現力を、映像作品というまったく異なるフィールドでどう発揮するのか、今後の活躍にも大きな注目が集まっています。
また2026年7月〜8月には、新橋演舞場のスーパー歌舞伎『もののけ姫』でアシタカ役を演じることが発表されています。
中村壱太郎演じるサンの相手役として、宮崎駿の名作をどう歌舞伎で表現するのか、大きな注目が集まっています。
アシタカは、映画『もののけ姫』の主人公で、タタリ神の呪いを受けながらも、自然と人間の対立の狭間で葛藤する重要な役どころです。
スーパー歌舞伎ならではの映像的な演出と、歌舞伎の様式美をどう融合させるのか、澤瀉屋の芸の継承者としての團子の手腕が試される、非常に注目度の高い公演になりそうです。

受賞歴
- 2013年10月:国立劇場賞(『春興鏡獅子』胡蝶の精役)
- 2024年:第41回浅草芸能大賞新人賞
- 2024年度:名古屋演劇ペンクラブ賞
2013年の国立劇場賞は、9歳という若さでの受賞であり、早くからその高い実力が評価されていたことがよくわかります。
2024年に複数の賞を受賞していることも、澤瀉屋を支える立場として着実に評価を積み重ねてきた証といえるでしょう。
浅草芸能大賞は、伝統芸能から現代の芸能まで幅広いジャンルの新人を対象にした賞で、歌舞伎という枠を超えて評価されたことを意味します。
一門が大きな試練を経験した直後の時期に、こうした賞を受賞していることは、團子自身の実力と努力の積み重ねを何よりも物語っています。
名古屋演劇ペンクラブ賞は、演劇評論家など専門家の視点から選出される賞であり、パフォーマンスとしての完成度そのものが評価されたことを意味します。
複数の異なる視点から高い評価を受けていることからも、團子の確かな実力の高さがうかがえます。
人柄・素顔
同世代の役者である市川染五郎とは、公私にわたって親しい間柄として知られています。
雑誌のインタビューでは、明るく物怖じしない性格で場を和ませる「ボケキャラ」だと紹介されており、銀座のカフェで3〜4時間にわたって『火の鳥』のストーリーについて語り合ったというエピソードも披露しています。
『三社祭』を演じた後には「もっとうまくなりたい」という思いから、日々改善点をスマートフォンにメモして意識するようにしていると明かすなど、向上心の強さも垣間見えます。
市川染五郎とは、今後も共演を重ねていきたいと語っており、同世代の役者同士で切磋琢磨する姿は、多くのファンに希望を与えています。
同世代の役者と長時間にわたって作品について語り合うというエピソードからは、単に舞台をこなすだけでなく、役や物語そのものに真剣に向き合う姿勢がうかがえます。
『火の鳥』のような複雑な物語構成を持つ作品について、同世代の役者と議論を重ねながら理解を深めていく過程は、若手役者ならではの学びの形といえるでしょう。
大学は青山学院大学文学部比較芸術学科を卒業したと伝えられており、学業と歌舞伎の稽古を両立させながら青年期を過ごしてきました。
困難な家庭環境を乗り越えながらも、明るく前向きな姿勢を崩さない人柄は、多くの人から支持される理由のひとつです。
比較芸術学科での学びは、歌舞伎という一つの芸能にとどまらず、演劇や芸術全般への視野を広げる機会にもなったと考えられます。
大学での学びと、実際の舞台での経験の両方を積み重ねてきたことが、幅広い表現力の土台になっているのかもしれません。
まとめ|困難を乗り越え澤瀉屋を支える次代のホープ
- 市川團子は、父・市川中車(香川照之)のもとに生まれた澤瀉屋の役者
- 市川猿之助は父の従兄にあたり、團子自身の父ではない
- 2023年の澤瀉屋にとって困難な時期を乗り越え、着実に大役を務め続けている
- 2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に森蘭丸役で出演
- スーパー歌舞伎『もののけ姫』でアシタカ役を演じる予定
困難な時期を乗り越えながら、澤瀉屋を支える次代のホープとして着実に成長を続ける市川團子。
歌舞伎座はもちろん、大河ドラマなど新しいフィールドでの活躍からも目が離せません。
同世代の役者たちとともに、これからの歌舞伎界を盛り上げていく大切な存在として、今後もその歩みを温かく見守っていきたいところです。
澤瀉屋というひとつの家の歴史をたどると、そこには輝かしい功績と、乗り越えるべき困難の両方が刻まれています。
その中で着実に自分の道を歩んでいる市川團子の姿は、多くのファンにとって希望であり、支えでもあるでしょう。
よくある質問(FAQ)
- 市川團子の父親は誰ですか?
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父は俳優としても知られる香川照之(九代目市川中車)です。
市川猿之助(四代目)は父のいとこにあたり、團子自身の父ではありません。 - 市川團子と市川猿之助はどんな関係ですか?
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市川猿之助は、團子の祖父・猿翁の弟の息子にあたり、團子の父・中車のいとこです。
團子から見ると父方の従叔父(いとこおじ)にあたり、親子関係ではありません。 - 市川團子はどんな大河ドラマに出演していますか?
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2026年放送のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に森蘭丸役で出演しています。
小栗旬演じる織田信長の小姓役として、6月28日放送回から登場しています。 - 市川團子はいつ初舞台を踏みましたか?
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2012年6月、新橋演舞場のスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』のワカタケル役で初舞台を踏みました。
父が九代目市川中車を襲名したのと同じ舞台で、「五代目市川團子」を名乗っています。 - 市川團子は2026年どんな舞台に出演しますか?
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2026年7月〜8月、新橋演舞場のスーパー歌舞伎『もののけ姫』でアシタカ役を演じることが発表されています。
中村壱太郎演じるサンの相手役として出演します。
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