四月大歌舞伎とは|演目・配役・見どころまとめ【2026年4月公演】

当ページのリンクには広告が含まれています。
四月大歌舞伎とは|歌舞伎座の演目・見どころまとめのコピーのコピー

四月大歌舞伎は、歌舞伎座で毎年4月に上演される月替わり公演です。
春の陽気とともに、心浮き立つような華やかな演目が組まれることが多いのが特徴です。

この記事では、四月大歌舞伎の基本情報と、直近の開催となった2026年4月公演の演目・配役・見どころをまとめて解説します。

【2027年4月について】歌舞伎座では2027年4月に舞台機構設備の更新工事が行われるため、同月の歌舞伎座での歌舞伎公演は休演となり、四月大歌舞伎の開催はありません。
代わりに、東京・日生劇場で「四月陽春歌舞伎」という特別公演が開催される予定です。
開催の背景や現時点でわかっている情報は、以下の記事でまとめています。

目次

四月大歌舞伎とは|歌舞伎座の月替わり公演の特徴

團菊祭や秀山祭のような固定の名跡テーマを持たず、その時々の座組に応じて幅広い演目が組まれる、自由度の高い月替わり公演です。
過去には、澤瀉屋の猿翁十種のひとつ『小鍛冶』で幕を開けたり、歌舞伎十八番屈指の人気作『勧進帳』が日替わりの配役で上演されたりと、話題性のある企画が組まれることも少なくありません。

世代を超えた豪華な顔合わせが実現しやすいのも、四月大歌舞伎の見どころのひとつです。
過去には、片岡仁左衛門が特定の演目に「一世一代」(生涯最後の上演)として臨んだ特別な公演が組まれたこともあります。

【2026年4月】四月大歌舞伎の公演情報|日程・上演時間

2026年4月の四月大歌舞伎は、以下の日程・内容で上演されました(2026年8月時点では公演は終了しています)。

項目内容
公演名四月大歌舞伎
会場歌舞伎座
公演期間2026年4月2日(木)~27日(月)
休演日4月10日(金)、20日(月)
昼の部午前11時開演
夜の部午後4時30分開演

2026年4月は、昼の部に音羽屋(尾上菊五郎家)ゆかりの通し狂言、夜の部に義太夫狂言・舞踊・喜劇をそろえたバラエティ豊かな三本立てという構成でした。

上演時間の目安

4月5日時点で公開されていた上演時間の目安は、以下の通りです(変更になる可能性があります)。

演目時間
昼の部廓三番叟11:00~11:17
裏表先代萩 花水橋・大場道益宅11:37~12:24
裏表先代萩 足利家御殿・同床下12:59~14:20
裏表先代萩 問注所小助対決・控所仁木刃傷14:30~15:23
夜の部本朝廿四孝 十種香16:30~17:23
連獅子17:58~18:51
浮かれ心中19:16~20:56

昼の部・夜の部とも、幕間を含めておよそ4時間半前後の上演時間となっています。
特に夜の部は舞踊と義太夫狂言、喜劇と趣の異なる3演目が並ぶため、飽きずに楽しめる構成です。

昼の部『裏表先代萩』のあらすじ・見どころ・配役

一、廓三番叟(くるわさんばそう)

幕開けは、寿式三番叟の形式や詞章を踏まえながら、舞台を華やかな廓(くるわ)の情景に置き換えた祝祭舞踊『廓三番叟』。
大尽を中心に傾城・新造・太鼓持が三番叟の趣向で春を寿ぎ、洒落た雰囲気の中で公演の幕を開けます。

中村梅玉・中村魁春・中村芝翫ら大ベテランを中心とした顔ぶれで上演されました。

二、通し狂言『裏表先代萩』(うらおもてせんだいはぎ)

続く二幕は、正式外題『梅照葉錦伊達織(うめのはにしきのだており)』こと通し狂言『裏表先代萩』。
江戸時代、仙台藩伊達家で実際に起きた御家騒動を題材にした時代物の大作『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』を、「表」と「裏」の視点から交互に見せる構成の作品です。

原作『伽羅先代萩』の花水橋・竹の間・御殿・床下・対決・刃傷、各場面のあらすじ・見どころは、こちらの記事で詳しく解説しています。

あらすじ

足利家の御家乗っ取りを企む執権・仁木弾正は、幼君・鶴千代の毒殺を謀ります。
毒薬を調合した町医者・大場道益が褒美の金を受け取る様子を、下男の小助が覗き見ており、小助は主人の道益を殺めて金を奪い、その罪を下女お竹になすりつけてしまいます。
やがて管領・細川勝元の家来である倉橋弥十郎が事件の吟味にあたり、小助を追い詰めていきます。

一方、足利家の御殿では、乳人・政岡が弾正の妹・八汐らから幼君・鶴千代の命を守るため奮闘しています。
見舞いと称して現れた栄御前が持参した菓子を鶴千代に勧めると、毒殺を危ぶんだ政岡が戸惑う間もなく、政岡の息子・千松が身代わりに菓子を口にして…。
我が子を犠牲にしてまでも忠義を尽くす政岡は、ついに悪事の証拠を手に入れますが、そこへ一匹の鼠が現れ、証拠の連判状を咥えて床下へ消えていきます。
この鼠の正体こそ弾正であり、物語は「表」の武家の忠義と「裏」の町人の悪事が交錯するクライマックスへと向かいます。

見どころ

本作最大の見どころは、下男小助・乳人政岡・仁木弾正という3つの役を同じ俳優が一人で演じ分ける点です。
三世尾上菊五郎が小助の役を初演して以来、五世・六世、そして当代の七代目菊五郎へと受け継がれてきた音羽屋(尾上菊五郎家)ゆかりの演目で、2026年4月は8年ぶりの通し上演となりました。

我が子を犠牲にしても忠義を貫く政岡の「飯炊き」の演技、欲得のために主人を手に掛ける小悪党・小助の世話物らしい憎々しさ、そして御家乗っ取りを企む仁木弾正の妖しい迫力。
善悪ふたつの視点で物語が交互に展開する構成のなかで、この三役の演じ分けを堪能できるのが本作ならではの魅力です。

配役

役名出演
下男小助/乳人政岡/仁木弾正七代目尾上菊五郎
倉橋弥十郎/細川勝元中村勘九郎
下女お竹中村七之助
沖の井中村時蔵
足利頼兼中村歌昇
荒獅子男之助中村萬太郎
渡辺民部尾上右近
栄御前市村萬次郎
大場道益/八汐坂東彌十郎

幼君・鶴千代を尾上琴也、政岡の息子・千松を中村秀乃介が演じるなど、子役の熱演も見どころのひとつでした。
このほか中村種之助・中村歌之助・中村吉之丞・市村橘太郎・坂東彦三郎・河原崎権十郎らが脇を固めています。

夜の部『本朝廿四孝』『連獅子』『浮かれ心中』のあらすじ・見どころ・配役

一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)十種香

夜の部の幕開けは、戦国時代の武田信玄と長尾(上杉)謙信の争いを軸にした時代物の名作『本朝廿四孝』より、通称「十種香」の場。
許嫁・武田勝頼の絵像を仏間に掛け、香を焚いてその菩提を弔う八重垣姫のもとに、絵像に瓜二つの男が現れます。
花作りの簑作と名乗るこの男の正体は、切腹したはずの勝頼で…。

舞台上で実際に香が焚かれるなか、恋心を募らせていく八重垣姫は、歌舞伎の「三姫」のひとつに数えられる大役です。
絢爛豪華な錦絵のような舞台面と、義太夫狂言ならではの色彩美を味わえる名場面で、中村時蔵が八重垣姫を勤めました。

二、連獅子(れんじし)

能の「石橋」をもとにした長唄の人気舞踊『連獅子』。
石橋の架かる清涼山で、手獅子を携えた狂言師の右近と左近が石橋の由来や獅子の故事を語り、満開の牡丹に戯れ遊ぶうちに獅子の精が現れます。
親獅子と仔獅子が勇壮な毛振りを披露する、豪快かつ華やかな舞踊です。

2026年4月は、親獅子の精を尾上右近、仔獅子の精を尾上眞秀が勤め、親子の情愛を描く舞踊を親子役として演じ分けました。

三、浮かれ心中(うかれしんじゅう)

夜の部の締めくくりは、井上ひさしの直木賞受賞作「手鎖心中」を原作に、十八世中村勘三郎が歌舞伎作品として初演した傑作喜劇『浮かれ心中』。
人を笑わせることが大好きな伊勢屋の若旦那・栄次郎は、両親に勘当を申し出て念願の絵草紙の戯作者になると、次々と馬鹿馬鹿しい騒ぎを起こして話題作りに励みます。
幕政を批判する絵草紙を出版して手鎖の刑を受けても懲りず、ついには吉原の花魁・帚木と心中の茶番劇まで画策しますが…。

江戸文化が爛熟した蔦屋重三郎の時代を舞台に、ユーモラスながら人間の業を浮き彫りにする物語が展開します。
栄次郎を演じる中村勘九郎自らが宙乗りを披露する演出も大きな見どころでした。

夜の部の配役

演目役名出演
本朝廿四孝八重垣姫中村時蔵
花作り簑作実は武田勝頼中村萬壽
連獅子親獅子の精尾上右近
仔獅子の精尾上眞秀
浮かれ心中栄次郎中村勘九郎
三浦屋帚木中村七之助
おすず七代目尾上菊五郎

チケット料金・幕見席で観る方法

2026年4月の四月大歌舞伎の通し券料金は、以下の通りでした(すべて税込)。

席種料金
特等席20,000円
1階桟敷席20,000円
1等席18,000円
2等A席15,000円
2等B席14,000円
2等C席9,000円
3階A席6,500円
3階B席5,000円

演目を1幕だけ気軽に味わいたい場合は、当日券のみで購入できる幕見席という選択肢もあります。
演目に応じた幕見席の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。

四月大歌舞伎を初心者が楽しむポイント

2026年4月のように、昼夜で作品の色合いがはっきり分かれる月は、好みの演目だけを幕見席でつまみ食いする楽しみ方もおすすめです。
『連獅子』のような舞踊は物語を知らなくても視覚的な迫力で楽しめるため、歌舞伎が初めての方の入り口として特に向いています。

『裏表先代萩』のような時代物は登場人物が多く複雑に感じられますが、「一人の俳優が3役を演じ分ける」という趣向を事前に知っておくだけでも、格段に見やすくなります。
『浮かれ心中』のような喜劇は肩の力を抜いて楽しめる演目なので、通し狂言の合間の息抜きとしてもおすすめです。

演目選びに迷う場合は、歌舞伎全体の入門ガイドも参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

四月大歌舞伎はいつ開催されますか?

毎年4月、歌舞伎座で開催される月替わり公演です。
2026年は4月2日(木)~27日(月)の会期で上演されました。

『裏表先代萩』と『伽羅先代萩』は同じ演目ですか?

『裏表先代萩』は、時代物の大作『伽羅先代萩』を原作に、「表」(武家の物語)と「裏」(町人・小助の物語)を交互に見せる構成に仕立てた作品です。
下男小助・乳人政岡・仁木弾正の三役を一人の俳優が演じ分ける点が大きな特徴です。

四月大歌舞伎に決まったテーマはありますか?

團菊祭や秀山祭のような固定の名跡テーマはなく、その時々の座組に応じて演目が組まれる自由度の高い公演です。
過去には『勧進帳』の日替わり配役や、猿翁十種の演目が上演された年もあります。

連獅子は初心者でも楽しめますか?

楽しめます。
親子の獅子の精が毛振りを披露する視覚的な迫力が魅力の舞踊で、事前知識がなくても十分に楽しめる演目です。

次回の演目・配役はいつ発表されますか?

歌舞伎座の月替わり公演は、例年開幕の2〜3ヶ月前に発表される傾向があります。
次回2027年4月の演目・配役が発表され次第、この記事に追記します。

歌舞伎が初めての方へ

歌舞伎自体が初めてだと「どう観ればいいの?」と迷うこともあるかもしれません。
歌舞伎には独特の約束ごとや表現がありますが、基本を少し知っておくだけで、面白さがぐっと伝わりやすくなります。
歌舞伎とは?初心者向けにわかりやすく解説

歌舞伎をもっと楽しむためのおすすめ本

歌舞伎は、あらすじや登場人物を少し知ってから観劇すると、面白さが何倍にも広がります。

当サイトでも作品の見どころや背景を詳しく解説していますが、「もっと歌舞伎について知りたい」「自宅でも学びたい」という方には、初心者にも読みやすい入門書がおすすめです。

今回は、歌舞伎の基本から演目の魅力まで楽しく学べる2冊をご紹介します。

マンガで教養 やさしい歌舞伎鑑賞

歌舞伎の歴史や約束事、舞台の見方などをマンガとイラストでわかりやすく解説した入門書です。

「歌舞伎って難しそう…」という方でも読み進めやすく、初めて観劇する前の予習にもぴったり。基礎知識を身につけたい方におすすめの一冊です。

歌舞伎の101演目 解剖図鑑

人気演目のあらすじや見どころを、豊富なイラストとともに紹介した一冊です。

代表的な演目を幅広く知ることができるため、「次はどの作品を観ようかな」と考えている方や、観劇後に作品を振り返りたい方にも役立ちます。

まとめ

四月大歌舞伎は、名跡テーマにとらわれない自由な構成が魅力の月替わり公演です。
2026年4月は、昼の部に8年ぶり通し上演の『裏表先代萩』、夜の部に『本朝廿四孝』『連獅子』『浮かれ心中』という義太夫狂言・舞踊・喜劇のバラエティに富んだ公演となりました。

次回の演目・配役が発表され次第、この記事を随時更新していきます。

歌舞伎座の1年間の流れを一覧で確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

歌舞伎をもっと面白がるための三冊

用語やニュースをきっかけに「もう少し知りたい」と思ったときに手に取りやすいものを選びました。
読み物としても楽しめます。

[改訂新版]マンガで教養 やさしい歌舞伎鑑賞

歌舞伎の歴史や約束事、舞台の見方をマンガとイラストで解説した入門書です。
断片的に知っている知識がつながります。

歌舞伎の101演目 解剖図鑑

人気演目のあらすじや見どころを、豊富なイラストとともに紹介した一冊です。
名場面のイメージを絵でつかめます。

「歌舞伎職人」の舞台うら話

附け打ちや大道具、床山など、舞台を支える職人たちの仕事を紹介した一冊です。
裏方の視点を知ると劇場での見え方が広がります。

¥3,300 (2026/09/14 22:33時点 | Amazon調べ)

🎭 観劇のおともに【PR】

※本セクションには広告(Amazonアソシエイト)リンクを含みます。

Kindle Unlimited 読み放題を無料で試す

歌舞伎の入門書・解説本も読み放題対象多数。観劇前の予習に

Prime Videoを30日間無料で試す

映画・ドラマ・アニメが見放題。まずは30日間の無料体験から

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次