『雷神不動北山櫻』は、『毛抜』『鳴神』『不動』という歌舞伎十八番の三演目を含む長編歌舞伎です。
奇妙な謎解き、高僧の激しい怒り、不動明王の登場。
一見別々に思える出来事の裏には、帝位を狙う早雲王子の陰謀があります。
三つの場面は、どうつながっているのでしょうか。
この記事では、物語の発端から結末までをたどりながら、登場人物の関係と通し狂言ならではの面白さを、初めて観る人にもわかりやすく解説します。
雷神不動北山櫻とは?早雲王子の陰謀を描く通し狂言
『雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)』は、寛保2年(1742年)1月に大坂の佐渡嶋長五郎座で初演された、全五幕の時代物です。
津打半十郎、安田蛙文、中田万助の合作で、二代目市川團十郎(当時は二代目市川海老蔵)が中心となって上演しました。
物語の舞台は、平安時代の陽成天皇の時代です。
帝位に就けなかった早雲王子が天下を奪おうと企み、その陰謀が朝廷や小野家を巻き込む大きな騒動へ発展していきます。
『毛抜』『鳴神』『不動』が一つの長編に
この作品の大きな特徴は、歌舞伎十八番の『毛抜』『鳴神』『不動』が一つの長編に組み込まれていることです。
原作では三幕目が『毛抜』、四幕目が『鳴神』、五幕目が『不動』にあたります。
ただし、三演目がすべて1742年に初めて作られたわけではありません。
『鳴神』『不動』にはそれ以前からの上演の歴史があり、そこに『毛抜』の趣向を加えて長編が構成されました。
現在では『毛抜』『鳴神』が独立した演目として上演されることも多く、それぞれ単独で楽しめます。
一方、通し狂言として観ると、各場面に別の意味が見えてきます。
その鍵を握るのが、早雲王子の陰謀です。
雷神不動北山櫻のあらすじ|早雲王子の陰謀から不動明王の登場まで
物語は、帝位を逃した早雲王子の恨みから動き始めます。
王子の企みは竜神の封印による旱魃、小野家の宝の短冊をめぐる事件へと広がりますが、粂寺弾正や雲の絶間姫の働きによって崩れていきます。
そして最後に、不動明王が王子の悪心と鳴神上人の執念を鎮めます。
ここでは、歌舞伎美人に掲載された2009年10月・博多座公演の公式あらすじを基準に、結末まで説明します。
1742年の原作や、独立して上演される『毛抜』『鳴神』とは、筋や結末が異なる部分があります。
早雲王子はなぜ帝位を狙い、鳴神上人が旱魃を起こすのか?
早雲王子(はやくものおうじ)は、時の天皇の皇子として生まれました。
しかし、陰陽師の安倍清行(あべのきよゆき)は、王子が帝位に就けば天下が乱れると占います。
そのため早雲王子は帝になれず、陽成天皇が即位することになりました。
この陽成天皇の誕生にも、物語ならではの不思議な事情があります。
本来は女子として生まれるはずだった子を男子として誕生させる「変成男子(へんじょうなんし)」という行法が行われたというのです。
その行法を行った人物こそ、強い法力を持つ高僧・鳴神上人(なるかみしょうにん)でした。
王子は、帝位を逃したことを深く恨みます。
自分が天下を治めるはずだったのに、その道を閉ざされてしまった。
その恨みは、やがて天下を奪おうとする野望に変わっていきます。
早雲王子が企てた陰謀に巻き込まれた鳴神上人は、雨をもたらす竜神を北山の滝壺に封じ込めてしまいます。
すると、雨が降らなくなり、天下は旱魃(かんばつ)に見舞われます。
ここで重要なのは、鳴神上人だけが突然、天下を混乱させたわけではないということです。
2009年版の通し狂言では、竜神の封印の背後に、帝位を狙う早雲王子の陰謀があります。
この関係を知っておくと、鳴神上人の怒りも、単なる一人の高僧の問題ではなくなります。
一人の人間の恨みが別の人物を巻き込み、国中を苦しめる騒動に広がっていく。
物語の恐ろしさは、まさにここから始まります。
なぜ雨乞いの短冊が狙われ、粂寺弾正が事件に関わるのか?
竜神を封じられたことで雨が降らず、人々は苦しんでいました。
朝廷は事態を解決するため、小野家に伝わる「ことわりや」という宝の短冊を使って、雨乞いの儀式を行おうとします。
ところが、その大切な短冊まで早雲王子の一味に奪われてしまうのです。
雨を降らせる竜神が封じられ、雨乞いに必要な宝も失われる。
これでは、旱魃から抜け出すための手立てがますます失われてしまいます。
そこで登場するのが、文屋豊秀(ぶんやのとよひで)の家臣、粂寺弾正(くめでらだんじょう)です。
当時、小野家の内部では悪臣たちが不穏な動きを見せていました。
弾正は小野家に入り込んだ悪臣たちを排除し、奪われていた短冊を取り戻します。
『毛抜』だけを知っていると、粂寺弾正は小野家の騒動を解決する豪快で機転の利く人物という印象が強いかもしれません。
しかし、通し狂言での働きには、さらに大きな意味があります。
弾正が短冊を取り戻すことは、早雲王子の陰謀を阻み、朝廷が雨乞いの儀式に使おうとしていた宝を取り戻すことでもあるのです。
ただし、短冊が戻っただけで直ちに雨が降るわけではありません。
別の場所では、鳴神上人による竜神の封印を解くための働きかけが進んでいました。
この二つの出来事は、雨を取り戻すという共通の問題をめぐって並行して進みます。
なお、独立演目『毛抜』には、錦の前の髪が逆立つ奇病や、磁石を使った仕掛けがあります。
2009年博多座公演の公式あらすじには、その奇病の場面の詳細は記載されていません。
これはその場面が上演されなかったという意味ではなく、公式資料から確認できる説明の範囲を示しています。
ここでは個別の謎解きより、長編全体における短冊奪還の意味を中心に紹介しました。
鳴神上人の術はどう破られ、不動明王は何を鎮めるのか?
一方、竜神を封じ込めた鳴神上人のもとには、雲の絶間姫(くものたえまのひめ)が向かいます。
絶間姫は朝廷の命を受け、上人の行法を破るために北山の庵を訪ねたのです。
相手は並外れた法力を持つ高僧です。
力ずくで封印を解くことはできません。
そこで絶間姫は、酒と色香によって上人の心を動かし、竜神を封じた術の秘密を聞き出します。
そして、その秘密を利用して術を破り、竜神を解放することに成功します。
人々が待ち望んでいた雨が、ようやく降り始めました。
小野家の短冊は取り戻され、竜神も自由になります。
こうして、早雲王子の陰謀はことごとく明るみに出ます。
しかし、これですべてが終わったわけではありません。
自分の術を破られた鳴神上人は、激しい怒りに燃え、生きながら雷となるほどの執念を見せます。
旱魃は解消されても、人の心に残った怒りまでは消えていないのです。
そこへ現れるのが、不動明王です。
不動明王は、天下を奪おうとした早雲王子の悪心と、雷となった鳴神上人の執念を鎮めます。
こうして世の中は再び平穏を取り戻します。
ここで注目したいのは、不動明王が鎮める相手が一人ではないことです。
早雲王子には、天下を奪おうとする野望がありました。
鳴神上人には、欺かれ、術を破られたことによる激しい怒りがありました。
二人の抱く思いは異なりますが、いずれも世の中を乱す力になっています。
その両方を鎮めて初めて、長編全体の物語に決着がつくのです。
登場人物と相関関係|早雲王子の陰謀を阻むのは誰?
『雷神不動北山櫻』には多くの人物が登場しますが、最初から全員を覚える必要はありません。
まずは、早雲王子を中心とする陰謀と、それを阻もうとする人々の関係を理解するのが近道です。
早雲王子(はやくものおうじ)
帝位を逃したことを恨み、天下を奪おうとする人物です。
物語全体の騒動の出発点になります。
安倍清行(あべのきよゆき)
早雲王子が即位すれば天下が乱れると占う陰陽師です。
この占いによって、王子は帝位を逃すことになります。
鳴神上人(なるかみしょうにん)
強い法力を持つ高僧です。
王子の陰謀に巻き込まれ、竜神を封じ込めて旱魃を引き起こします。
粂寺弾正(くめでらだんじょう)
文屋豊秀の家臣です。
小野家の悪臣たちを排除し、奪われた短冊を取り戻します。
雲の絶間姫(くものたえまのひめ)
朝廷の命を受けて北山に向かい、鳴神上人の術を破る姫です。
文屋豊秀(ぶんやのとよひで)
粂寺弾正の主君です。
原作の『毛抜』にあたる場面では、小野家の錦の前の婚約者として関わります。
不動明王(ふどうみょうおう)
最後に現れ、早雲王子の悪心と鳴神上人の執念を鎮めます。
人物相関がわかる関係
| 関係の起点 | 関係する相手 | 何が起きる? |
|---|---|---|
| 安倍清行 | 早雲王子 | 即位すれば天下が乱れると占い、王子は帝位を逃す |
| 早雲王子 | 鳴神上人 | 陰謀に巻き込み、竜神の封印による旱魃につながる |
| 早雲王子の一味 | 小野家 | 朝廷が雨乞いに使おうとする短冊を奪う |
| 文屋豊秀 | 粂寺弾正 | 主君と家臣の関係。弾正が小野家に乗り込み、事件を解決する |
| 朝廷 | 雲の絶間姫 | 鳴神上人の術を破るために遣わす |
| 不動明王 | 早雲王子・鳴神上人 | 王子の悪心と上人の執念を鎮める |
この関係図を見れば、早雲王子の陰謀から二つの問題が広がっていることがわかります。
一つは、竜神を封じられたことで起こる旱魃。
もう一つは、旱魃に対処するための短冊が奪われる事件です。
そして、それぞれの問題を解決するために、粂寺弾正と雲の絶間姫が働きます。
注意したいのは、二人が同じ場所で協力して一つの事件を解決するというわけではないことです。
別々の場所で起きる出来事が、早雲王子の陰謀という共通の原因で結び付いている。
この構造を頭に入れておけば、登場人物の名前が多くても物語を見失いにくくなります。
なお、この関係図は2009年博多座公演の公式あらすじで確認できる主要な関係を整理したものです。
すべての登場人物や各幕の細かな関係を網羅したものではありません。
『毛抜』『鳴神』『不動』はどうつながる?三つの場面を通しで観る面白さ
『毛抜』『鳴神』『不動』は、それぞれ単独でも楽しめるほど、異なる魅力を持っています。
『毛抜』では奇妙な謎を解く痛快さ。
『鳴神』では高僧の心が激しく揺れ動く怖さ。
そして『不動』では、人間の争いを超えた存在が現れる迫力。
けれども、通し狂言として観る面白さは、こうした見せ場を一度に味わえることだけではありません。
最初は別々に見えた出来事が、次第に一つの大きな物語としてつながっていくことにあります。
別々の事件が一つにつながる瞬間
私は、場面が変わるたびに、少し戸惑っていました。
小野家の話を追っていたかと思えば、今度は山奥の鳴神上人の話になる。
「今は誰の話を観ているんだろう」と、頭の中で人物を整理するのに精いっぱいだったのです。
けれども、雨乞いの短冊と竜神の封印が、どちらも旱魃をめぐる事件だとわかったところで、見方が変わりました。
「ああ、別々の事件を見せられていたわけじゃなかったんだ」
そう思うと、それまで少し遠く感じていた小野家の騒動にも、急に大きな意味が生まれた気がしました。
粂寺弾正が取り戻した短冊は、単なる一つの家の宝ではない。
鳴神上人の怒りは、山奥だけにとどまる話ではない。
それぞれの出来事が天下を揺るがす陰謀に結び付いているからこそ、小さな謎解きも、一人の高僧の感情も、物語全体に重みを持つのです。
そして最後に不動明王が登場すると、それまで別々に追っていた争いが、一つの決着へ向かいます。
私には、この変化がとても面白く感じられました。
最初は「話がいくつもあって難しそう」と思っていたのに、いつの間にか「次はどうつながるのだろう」と考えながら観ている。
知識を覚えるより先に、自分の見方が変わっていたのです。
個別の演目を観たことがある人にも新しい発見
もちろん、『毛抜』の謎解きや『鳴神』の怒りの表現は、それだけでも十分に見応えがあります。
ただ、通し狂言では一つひとつの場面の面白さに加えて、その場面が長編全体のどこに位置しているかを楽しめます。
個別の演目を観たことがある人にとっても、そこが新たな発見になるのではないでしょうか。
なお、『毛抜』の奇病や磁石の仕掛けについては『毛抜』のあらすじ・見どころ解説で、絶間姫と鳴神上人の駆け引きについては『鳴神』のあらすじ・見どころ解説で詳しく紹介しています。


原作と現代の通し上演で、あらすじが違うのはなぜ?
『雷神不動北山櫻』を調べていると、資料によって鳴神上人の結末や、事件の説明が違っていることがあります。
これは、1742年の原作から長い年月がたち、個別演目としての上演や通し狂言としての再構成が行われてきたためです。
鳴神上人の結末は上演版によって違う
例えば、世界大百科事典に掲載された作品解説では、原作の筋として、鳴神上人が雲の絶間姫を追ったのちに殺され、死霊となって姫を苦しめる展開が紹介されています。
一方、今回あらすじの基準にした2009年博多座版では、生きながら雷となった鳴神上人の執念を不動明王が鎮めます。
| 比較対象 | 鳴神上人をめぐる展開 |
|---|---|
| 1742年の原作についての事典記述 | 上人は殺されたのち、死霊となって絶間姫を苦しめる |
| 2009年博多座版 | 生きながら雷となった上人の執念を不動明王が鎮める |
| 独立演目『鳴神』 | 絶間姫に術を破られ、激怒して追いかける場面が中心 |
同じ『鳴神』に関係する話でも、どの上演版を基準にするかで、描かれる範囲が変わります。
また、『毛抜』『鳴神』は現在も独立した演目として上演されていますが、『不動』は同じように単独上演されることが一般的なわけではありません。
復活と再構成の歴史
こうした違いを生んだ背景には、作品の復活と再構成の歴史があります。
明治時代には二代目市川左團次が『毛抜』『鳴神』『不動』の復活に取り組み、1967年には国立劇場で二代目尾上松緑主演による通し上演が実現しました。
さらに2008年には、市川海老蔵が五役を勤める新たな構想の通し狂言が新橋演舞場で上演され、2009年4月の御園座、同年10月の博多座公演へとつながっています。
2021年7月の歌舞伎座でも、海老蔵(現・十三代目團十郎)が五役と空中浮遊を勤めて上演しました。
つまり、現在観られる『雷神不動北山櫻』は、1742年の原作を一字一句そのまま舞台にしたものとは限らないのです。
解説によって筋が違うと感じたら、まず「どの上演版の話なのか」を確認してみてください。
なお、本記事のあらすじは2009年博多座公演を中心に説明したもので、2027年新橋演舞場公演の全場面を示すものではありません。
一人五役の何がすごい?早替りだけではない演じ分けの魅力
2008年以降の通し上演で見どころとして知られているのが、市川海老蔵(現・十三代目市川團十郎)による一人五役です。
2009年の博多座公演では、当時の市川海老蔵が早雲王子、安倍清行、粂寺弾正、鳴神上人、不動明王の五役を勤めました。
ここで注目したいのは、五人の人物がまったく違う性格と立場を持っていることです。
| 役 | 演じ分けで注目したい特徴 |
|---|---|
| 早雲王子 | 天下を奪おうとする野望と悪の魅力 |
| 安倍清行 | 陰陽師の落ち着きと、とぼけたおかしみ |
| 粂寺弾正 | 大らかな明るさと、事件を解決する頼もしさ |
| 鳴神上人 | 一途な信念と、術を破られたときの激しい怒り |
| 不動明王 | 人間とは異なる、どっしりとした存在感と威厳 |
同じ役者が、まるで別の人物に見える
五役の魅力は、ただ衣裳を素早く替えることではありません。
一人の役者が、ある場面では陰謀を進める側に立ち、別の場面ではそれを阻む側に立ち、最後には争いを鎮める神仏として現れます。
同じ顔をした役者なのに、先ほどとはまるで別の人物に見える。
その違いを生み出す声、表情、姿勢、動きの変化に注目してみたいところです。
例えば、粂寺弾正の大らかさと、早雲王子の野望を抱えた姿とでは、人物の空気そのものが違うはずです。
そして不動明王になれば、それまでの人間らしい感情の動きとは違う、超人的な存在感が求められます。
これほど性格の異なる人物を一人で演じることが、一人五役の大きな面白さです。
ただし、早替りの順番や具体的な演出は公演によって異なる可能性があるため、過去の公演と同じ場面が再現されるとは限りません。
2027年1月の新橋演舞場では團十郎が五役
2027年1月の新橋演舞場「初春大歌舞伎」昼の部でも、市川團十郎が五役を勤める予定です。
今回は全四幕の通し狂言で、題には「五役並びに空中浮遊相勤め申し候」と添えられています。
どの場面を上演するかは、2026年11月2日時点では発表されていません。
出演者、日程、チケットなどについては、新橋演舞場「初春大歌舞伎2027」公演ガイドをご覧ください。

初めて観るなら、どの場面に注目すると楽しめる?
『雷神不動北山櫻』を初めて観るなら、登場人物の名前や事件の細部をすべて覚えようとしなくても大丈夫です。
おすすめなのは、まず三人の人物に注目することです。
早雲王子は何を企んでいるのか。
粂寺弾正は何を取り戻そうとしているのか。
鳴神上人はなぜ竜神を封じ、激しく怒るのか。
この三つを意識するだけでも、物語の流れをつかみやすくなります。
「雨」「短冊」「竜神」の三つの言葉を覚えておく
もう一つ、覚えておくと役立つのが「雨」「短冊」「竜神」という三つの言葉です。
雨が降らなくなったことが大きな問題となり、朝廷は雨乞いに短冊を使おうとし、最後は竜神の封印が解かれることで雨が戻る。
この関係を知っていると、小野家と鳴神上人の話が別々に進んでも、どちらが何のための出来事なのか判断しやすくなります。
まずは目の前の舞台を楽しむ
もちろん、物語の筋を追うことだけが歌舞伎の楽しみではありません。
粂寺弾正の豪快な振る舞いを楽しむ。
鳴神上人の表情や声が変わる瞬間に注目する。
そして、不動明王が登場するときの迫力を味わう。
内容をすべて理解できなくても、まず目の前の舞台に引き込まれることがあります。
そのうえで、物語のつながりがわかると、それまで気づかなかった人物の行動にも意味が見えてきます。
最初は一つの場面を楽しみ、次に物語の全体像を楽しむ。
そんな観方ができるのも、通し狂言の魅力だと思います。
なお、実際の公演では場面構成や演出が異なることがあります。
観劇予定の公演が決まったら、その公演の公式あらすじや筋書も確認しておくと安心です。
『雷神不動北山櫻』に関するよくある質問(FAQ)
- 『雷神不動北山櫻』の読み方は?
-
「なるかみふどうきたやまざくら」と読みます。
「雷神」を「なるかみ」と読むのがポイントで、四幕目にあたる『鳴神』の題とも重なっています。 - 『毛抜』『鳴神』とは別の演目ですか?
-
『毛抜』『鳴神』『不動』は、もともと『雷神不動北山櫻』の一部です。
現在は『毛抜』『鳴神』が独立した演目としても上演されていますが、通し狂言では早雲王子の陰謀を軸に一つの物語としてつながります。 - どんな結末を迎えますか?
-
2009年博多座公演の公式あらすじでは、雲の絶間姫が鳴神上人の術を破って雨が戻り、早雲王子の陰謀が露見します。
最後に不動明王が現れ、王子の悪心と、雷となった鳴神上人の執念を鎮めて、世に平穏が戻ります。 - 初心者でも楽しめますか?
-
登場人物は多いですが、早雲王子・粂寺弾正・鳴神上人の三人と、「雨」「短冊」「竜神」の三つの言葉を押さえておけば、物語の流れを追いやすくなります。
謎解き、怒りの表現、不動明王の迫力と、場面ごとの見せ場もはっきりしています。 - 一人五役とは何ですか?
-
一人の役者が、早雲王子・安倍清行・粂寺弾正・鳴神上人・不動明王の五役を演じ分けることです。
2027年1月の新橋演舞場では、市川團十郎が五役と空中浮遊を勤める予定です。
歌舞伎が初めての方へ
歌舞伎自体が初めてだと「どう観ればいいの?」と迷うこともあるかもしれません。
歌舞伎には独特の約束ごとや表現がありますが、基本を少し知っておくだけで、面白さがぐっと伝わりやすくなります。
歌舞伎とは?初心者向けにわかりやすく解説

まとめ|雷神不動北山櫻は、陰謀から神仏の決着まで楽しめる歌舞伎
『雷神不動北山櫻』は、帝位を狙う早雲王子の陰謀を中心に、『毛抜』『鳴神』『不動』の三つの場面がつながる長編歌舞伎です。
小野家の事件、竜神の封印、そして不動明王による決着。
別々に見える出来事の関係を知ることで、通し狂言ならではの面白さが見えてきます。
最初からすべてを理解しようとする必要はありません。
まずは、早雲王子の陰謀がどう広がり、誰がそれを阻むのか。
その一本の筋を意識して、舞台を楽しんでみてください。
時代物をもっと楽しむために
入り組んだ人間関係やお家騒動の流れは、図解やマンガで一度おさえておくと観劇がぐっと楽になります。
予習にも復習にも使える二冊です。
[改訂新版]マンガで教養 やさしい歌舞伎鑑賞
歌舞伎の歴史や約束事、舞台の見方をマンガとイラストで解説した入門書です。
初めての観劇前の予習にちょうどよい一冊です。
最新版 歌舞伎の解剖図鑑
代表的な演目のあらすじや見どころを、豊富なイラストで紹介した図鑑です。
次に観る作品を選びたいときにも役立ちます。
🎭 観劇のおともに【PR】
※本セクションには広告(Amazonアソシエイト)リンクを含みます。
- 観劇用オペラグラスをAmazonで探す — 3階席・幕見席なら必携。役者の表情や衣装の細部まで楽しめます
- 歌舞伎の入門書おすすめ5選を見る — あらすじや約束事を予習しておくと当日の楽しさが段違いです
- Amazonプライム(30日間無料体験) — お急ぎ便が使い放題、Prime VideoやPrime Readingもまとめて使えます
歌舞伎の入門書・解説本も読み放題対象多数。観劇前の予習に
映画・ドラマ・アニメが見放題。まずは30日間の無料体験から

