市川團十郎(十三代目)プロフィール完全解説|成田屋の家系図・親子同時襲名から南座特別公演まで

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歌舞伎界随一の大名跡を継ぐ成田屋の当主が市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)です。
2022年10月に十三代目を襲名し、同時に長男・勸玄が八代目市川新之助を襲名する親子同時襲名としても大きな話題を呼びました。

この記事では、十三代目市川團十郎の家系図・襲名までの経緯から、市川海老蔵時代の出来事、歌舞伎十八番と成田屋の当たり役、そして2025〜2026年の活動まで、まとめて解説します。

目次

市川團十郎(十三代目) プロフィール・家系図

本名堀越寶世(ほりこし たかとし)
生年月日1977年12月6日
屋号成田屋(なりたや)
襲名2022年10月31日、十三代目市川團十郎白猿を襲名

父は、2013年に逝去した十二代目市川團十郎です。
十一代目市川海老蔵として長らく活躍したのち、成田屋当主の名跡である「市川團十郎」を、十三代目として襲名しました。

2019年1月、歌舞伎座で長男・勸玄とともに記者会見を行い、2020年5月に十三代目市川團十郎を襲名すると発表しましたが、新型コロナウイルスの流行により延期となり、実際の襲名は2022年10月31日にずれ込みました。
あわせて、長男・勸玄も八代目市川新之助を襲名しており、成田屋の名跡が親から子へと同時に受け継がれる、特別な襲名披露となりました。

妻は、フリーアナウンサーとして活躍した小林麻央さんで、2017年に病気のため亡くなっています。
長女・四代目市川ぼたん、長男・八代目市川新之助(本名・堀越勸玄、2013年生まれ)という二人の子どもは、いずれも歌舞伎の舞台に立っています。

市川海老蔵時代|苦難を乗り越えて成田屋を背負う

十三代目團十郎は、2004年に十一代目市川海老蔵を襲名して以降、長年にわたって「市川海老蔵」として活躍してきました。
華やかな存在感と圧倒的な舞台映えで、歌舞伎界の若手看板役者として高い人気を誇っていた時期です。

2010年11月、市川海老蔵は東京都内の飲食店でトラブルに巻き込まれ、暴行を受けて顔面を骨折するなどの大怪我を負う事件がありました。
同年12月には記者会見を開き、無期限の歌舞伎出演自粛を発表するなど、成田屋の当主としての立場に大きな試練が訪れた時期でもありました。

その後、海老蔵は歌舞伎の舞台に復帰し、以前にも増して精力的に公演に取り組む姿勢を見せてきました。
2013年には父・十二代目團十郎が逝去するという大きな出来事もありましたが、成田屋当主としての自覚と責任を胸に、荒事の芸をさらに磨き続けてきたと伝えられています。

妻・小林麻央さんの闘病と2017年の死別という、公私にわたる困難を乗り越えながらも、二人の子どもを育て上げ、成田屋当主としての責務を果たし続けてきたことは、多くの人の共感を呼んできました。
苦難の連続を経て2022年の十三代目襲名にたどり着いたことを思うと、この襲名がいかに重い意味を持つものかがうかがえます。

「成田屋」という屋号の由来

市川團十郎の屋号「成田屋」には、初代團十郎にまつわる興味深い逸話が残されています。
初代團十郎の父・堀越重蔵は、千葉県の成田山新勝寺にほど近い土地の出身で、同寺と少なからぬ縁がありました。

長らく子宝に恵まれなかった初代團十郎が成田山に祈願したところ、元禄元年(1688年)に二代目團十郎となる男児を授かったと伝えられています。
この子が健やかに成長したことへの感謝から、初代團十郎は元禄8年(1695年)に『成田不動明王山』という演目を上演し、これが大当たりとなりました。

この公演の際、客席から「成田屋っ!」という掛け声が飛び交ったことが、屋号「成田屋」の由来になったといわれています。
成田山新勝寺と成田屋の縁は現在も続いており、代々の團十郎にとって特別な存在であり続けています。

実際、成田山新勝寺の節分会には、市川團十郎をはじめとする成田屋の役者が特別出演することがあり、屋号の由来となった寺院との縁は今も生き続けています。
300年以上前のエピソードが、現代の襲名披露や年中行事にまで受け継がれていることは、歌舞伎という伝統芸能ならではの奥深さといえるでしょう。

歌舞伎十八番と成田屋の当たり役

成田屋には、「歌舞伎十八番」と呼ばれる家の芸があります。
これは天保年間に七代目市川團十郎(当時は五代目市川海老蔵)が市川宗家のお家芸として選定した18の演目で、『暫』『勧進帳』『助六』『矢の根』『鳴神』『毛抜』など、そのほとんどが力強い荒事の演目で構成されています。

なかでも上演回数が多いのが『助六』、次いで『勧進帳』、そして『暫』です。
『勧進帳』の武蔵坊弁慶、『助六』の花川戸助六といった役どころは、代々の團十郎が磨き上げてきた成田屋の当たり役であり、十三代目にとっても特に重要な演目とされています。

荒事とは、隈取をした役者が超人的な力強さで悪を打ち払う、歌舞伎ならではの様式美を持つ演技様式です。
初代團十郎が確立したとされるこの荒事の芸を、四百年近くにわたって代々の團十郎が受け継いできたこと自体が、歌舞伎という伝統芸能の奥深さを象徴しているといえるでしょう。

十三代目にとって、こうした歌舞伎十八番を演じることは単なる大役の披露にとどまらず、「市川團十郎」という名跡そのものの重みを体現する行為でもあります。
次代を担う長男・新之助に、こうした家の芸をどう継承していくのかも、今後の大きな見どころのひとつです。

襲名披露の舞台裏を描いたドキュメンタリー映画『襲名』

十三代目市川團十郎の襲名披露の舞台裏は、ドキュメンタリー映画『襲名』としても描かれています。
大名跡を継ぐことの重み、稽古に打ち込む姿、そして家族としての素顔まで、成田屋の襲名という一大事業の裏側を追った作品として話題になりました。

妻・小林麻央さんとの死別を経て、二人の子どもを育てながら成田屋の当主としての責任を背負ってきた歩みは、多くの人の共感を呼んできました。
『襲名』は、そうした個人的な背景も含めて、十三代目市川團十郎という役者の人間性に迫ったドキュメンタリーといえるでしょう。

2025年〜2026年の活動|南座特別公演と親子共演

2026年10月には、南座で「市川團十郎 特別公演」の開催が決定しています。
成田屋の家の芸である歌舞伎十八番を軸に、昼の部・夜の部それぞれで見応えのある演目が予定されており、成田屋の芸を堪能できる貴重な機会として注目を集めています。

また、市川團十郎が『暫(しばらく)』の拵え(こしらえ、化粧や衣裳の支度)を実際に体験できる企画も行われており、観客が“観る”だけでなく歌舞伎の舞台裏に触れられる取り組みとしても話題になりました。
こうした企画は、成田屋の荒事の様式美をより身近に感じてもらいたいという狙いから生まれたものと考えられます。

2026年12月の歌舞伎座「十二月大歌舞伎」では、坂東玉三郎との共演も予定されており、成田屋の荒事と女方の頂点による共演として大きな注目が集まっています。
異なる芸風を持つ役者同士の共演は、歌舞伎ならではの多様な魅力を再確認できる機会にもなりそうです。

長男・八代目市川新之助は2013年生まれで、2026年時点で10代に入り、幼少期からの人気に加えて着実に芸を磨いています。
親子共演の舞台は毎回大きな注目を集めており、成田屋の次代を担う存在として今後の成長がますます期待されています。

まとめ|成田屋の大名跡を継ぐ現当主

  • 市川團十郎(十三代目)は、2022年10月に成田屋の大名跡を襲名
  • 長男・勸玄も同時に八代目市川新之助を襲名する、親子同時襲名だった
  • 市川海老蔵時代の2010年には大きな試練があったが、これを乗り越えて成田屋を背負ってきた
  • 妻・小林麻央さんとは2017年に死別、長女・長男とともに歩んできた
  • 歌舞伎十八番の『勧進帳』『助六』などが代々受け継がれてきた成田屋の当たり役
  • 襲名披露の舞台裏はドキュメンタリー映画『襲名』としても公開
  • 2026年10月には南座で「市川團十郎 特別公演」を開催予定

大名跡「市川團十郎」を継いだ十三代目は、成田屋の荒事の芸を体現しながら、次の世代である長男・新之助とともに歩みを続けています。
数々の困難を乗り越えてきたからこそ、その舞台には唯一無二の重みと説得力が宿っているといえるでしょう。

親子共演の舞台や、南座での特別公演、そして坂東玉三郎との共演など、これからの成田屋の活躍からも目が離せません。
四百年近い歴史を持つ歌舞伎十八番を次の世代へどう受け継いでいくのか、引き続き見守っていきたいところです。

よくある質問(FAQ)

市川團十郎はいつ十三代目を襲名しましたか?

2022年10月31日に、十三代目市川團十郎白猿を襲名しました。
2020年5月の襲名を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていました。

市川團十郎の息子は誰ですか?

長男は堀越勸玄さんで、2022年に八代目市川新之助を襲名しています。
父と同時に襲名した、親子同時襲名としても話題になりました。

市川團十郎の妻は誰ですか?

妻はフリーアナウンサーの小林麻央さんでした。
2017年に病気のため亡くなっており、長女・長男の二人の子どもを育ててきました。

歌舞伎十八番とはどんな演目ですか?

天保年間に七代目市川團十郎が選定した、成田屋の家の芸18演目です。
『暫』『勧進帳』『助六』など荒事の演目が中心で、代々の團十郎が受け継いできました。

「成田屋」という屋号の由来は何ですか?

初代團十郎が成田山新勝寺に子宝祈願をして二代目を授かり、その感謝から上演した演目が大当たりしたことに由来します。
客席から「成田屋っ!」の掛け声が飛んだことが屋号の始まりと伝えられています。

市川團十郎の襲名披露を描いた映画はありますか?

ドキュメンタリー映画『襲名』で、襲名披露に向けた舞台裏が描かれています。
大名跡を継ぐ重みや、家族としての素顔にも迫った作品です。

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