中村米吉(五代目)プロフィール完全解説|播磨屋の家系図・三姫制覇から『風の谷のナウシカ』まで

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愛らしいタレ目と可憐な立ち姿で「少女漫画から出てきたみたい」とSNSで話題になる女方、中村米吉(なかむら よねきち)
人間国宝・五代目中村歌六を父に持つ播磨屋の御曹司でありながら、『風の谷のナウシカ』のナウシカ役や『FINAL FANTASY X』のユウナ役など新作歌舞伎への挑戦でも知られています。

2026年7月には歌舞伎座「七月大歌舞伎」の『時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)』で、松本幸四郎演じる武智光秀の妻・桔梗を勤めており、まさに今が旬の女方の一人です。
この記事では、米吉の本名・家系図から、女方としての当たり役「三姫」制覇までの道のり、新作歌舞伎での活躍、そして2024年の結婚まで、まとめて解説します。

目次

中村米吉 プロフィール・家系図

本名小川修平(おがわ しゅうへい)
生年月日1993年3月8日
出身地東京都
屋号播磨屋(定紋:揚羽蝶、替紋:蔓片喰)
初舞台2000年7月、歌舞伎座『宇和島騒動』の武之助役で五代目中村米吉を襲名
学歴成城大学文芸学部文化史学科中退

米吉は、五代目中村歌六の長男として1993年に誕生しました。
父・歌六は2023年に重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けた実力派で、口跡の良さと切れの良いせりふ回しで知られる名優です。

叔父にあたるのが三代目中村又五郎で、従兄弟には四代目中村歌昇、中村種之助がいます。
つまり米吉は、歌六・又五郎の兄弟が支える播磨屋一門の中でも、次世代を担う中心的な存在というわけです。
弟に初代中村龍之助がいますが、成人後は芸能活動をしておらず、現在は米吉が播磨屋の長男として舞台に立ち続けています。

屋号についても少し複雑な経緯があります。
米吉は襲名当初、父・歌六と同じく「萬屋(よろずや)」を名乗っていましたが、2010年9月の「秀山祭九月大歌舞伎」で、父・歌六、叔父・又五郎とともに屋号を播磨屋へ戻しました。
播磨屋は歌六家の本来の屋号で、定紋の揚羽蝶とともに、播磨屋一門の芸を象徴するものとなっています。

初舞台から名題昇進までの道のり

米吉は2000年7月、歌舞伎座『宇和島騒動』にて、父・歌六の前名である「米吉」の名を継ぎ、武之助役でわずか7歳で初舞台を踏みました。
2010年9月の「秀山祭九月大歌舞伎」では、父・歌六、叔父・又五郎(当時は歌昇)とともに屋号を萬屋から播磨屋へ戻し、播磨屋一門としての活動を本格化させています。

2011年からは本格的に女方を目指すようになり、2014年9月に名題試験に合格、同年11月26日には名題適任証を取得しました。
この頃から、姫役や娘役の大役を任される機会が徐々に増えていきます。
2023年10月には重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会の会員となりました。

2012年8月には国立劇場の「亀治郎の会」(現・四代目市川猿之助)にて『栴檀女道行』の栴檀女を、2012年12月・2013年12月には伝統歌舞伎保存会研修発表会で『一條大蔵譚』の常磐御前、『仮名手本忠臣蔵 七段目』の遊女おかるを勤めるなど、若手時代から着実に大役を積み重ねてきました。
2014年3月には歌舞伎座『日本振袖始』の稲田姫を演じ、この舞台は2015年1月にシネマ歌舞伎として劇場公開もされています。

女方としての芸・当たり役|「三姫」制覇まで

米吉が女方として高く評価される理由のひとつが、歌舞伎の女方にとって最難関とされる「三姫(さんひめ)」を短期間で制覇したことです。
「三姫」とは、赤姫(姫君)役の中でも特に格式が高いとされる三役の総称で、女方が一人前と認められる大きな節目とされています。

演目上演時期
祇園祭礼信仰記「金閣寺」雪姫(三姫の一つ)2023年9月・歌舞伎座
本朝廿四孝八重垣姫(三姫の一つ)2024年1月・浅草公会堂
鎌倉三代記時姫(三姫の一つ)2024年11月・明治座
鳴神雲の絶間姫2015年3月・南座ほか
与話情浮名横櫛お富2016年1月・浅草公会堂
妹背山婦女庭訓杉酒屋娘お三輪2025年3月・南座

2023年9月に「金閣寺」の雪姫、2024年1月に「本朝廿四孝」の八重垣姫、同年11月に「鎌倉三代記」の時姫と、わずか1年余りで三姫すべてを演じ切りました。
米吉自身はこの達成についてのインタビューで「得たものを、その先にどう生かせるかが一番肝心」と語っており、大役を通過点として捉える姿勢がうかがえます。

2015年には「鳴神」の雲の絶間姫を南座で演じ、十三夜会奨励賞を受賞。
この頃から女方としての実力を着実に評価されるようになり、2021年3月の南座「三月花形歌舞伎」では『義経千本桜』の静御前だけでなく、源義経という立役の大役にも挑戦しています。

新作歌舞伎への挑戦|『風の谷のナウシカ』『FINAL FANTASY X』

米吉の名を歌舞伎ファン以外にも広く知らしめたのが、新作歌舞伎への積極的な出演です。
2022年7月の歌舞伎座『風の谷のナウシカ-白き魔女の戦記-』では、宮崎駿の名作アニメーションのヒロイン・ナウシカを演じました。

さらに2023年3月から4月にかけては、IHIステージアラウンド東京の新作歌舞伎『FINAL FANTASY X』で、人気ゲームのヒロイン・ユウナを演じています。
いずれの役でも、歌舞伎では珍しい茶髪のボブヘアという原作重視のヘアスタイルで舞台に立ち、大きな好評を博しました。

この経歴があるからこそ、2026年3月に新橋演舞場で開幕した『流白浪燦星(ルパンさんせい) 碧翠の麗城』の記者会見では、米吉が自ら「茶髪のボブヘアでは演じない」とコメントする一幕もありました。
これは、SNS上で同作と『ルパン三世 カリオストロの城』との類似性が指摘され、米吉がクラリスに似た役を演じるのではと話題になっていたことを踏まえたユーモラスな返答だったようです。
実際には瀬織姫役で出演し、名古屋・京都・博多を含む全国ロングラン公演となりました。

海外公演・国際イベントでの活躍

米吉は、歌舞伎を海外に発信する舞台にもたびたび選ばれています。
2015年8月には、アメリカ・ラスベガスのベラージオホテルの噴水を舞台にした『KABUKI Spectacle-Koi Tsukami(鯉つかみ)』に鯉の精役で出演しました。
2016年5月には、同じくラスベガスのMGMグランド、デビッド・カッパーフィールド劇場で行われた『Japan KABUKI Festival in Las Vegas 2016・獅子王』に白縫姫・傾城乙星の二役で出演しています。

さらに2019年6月には、大阪で開催されたG20大阪サミットの関連行事で『KABUKI 2019』を披露するなど、国際的な場での歌舞伎紹介にも積極的に関わってきました。
こうした海外・国際イベントでの経験は、後の新作歌舞伎やメディア出演にもつながる、米吉の柔軟な対応力の土台になっていると考えられます。

受賞歴

米吉のこれまでの主な受賞歴は以下の通りです。

  • 2015年 「鳴神」の雲の絶間姫で十三夜会奨励賞
  • 2021年 第42回松尾芸能賞 新人賞
  • 2023年10月 「妹背山婦女庭訓」の入鹿妹・橘姫で国立劇場賞優秀賞
  • 2023年10月 重要無形文化財(総合認定)認定・伝統歌舞伎保存会会員

2021年の松尾芸能賞新人賞は、若手女方としての地位を確立させた大きな受賞です。
2023年には演技の評価に加え、重要無形文化財の保持団体の一員としても認定され、実力・格式の両面で評価が高まっていることがわかります。

結婚・人柄と素顔

米吉は2024年1月22日、以前から交際していた京都出身で元舞妓・芸妓の一般女性と入籍しました。
発表は同年2月1日で、本人は「新春浅草歌舞伎も一区切りを迎え、ヤマトタケルの初日を迎える、キリのいい30歳のうちに」と発表のタイミングについて説明しています。
披露宴は5月29日、東京・帝国ホテルにて執り行われ、尾上菊五郎をはじめ約450人が出席しました。
2025年1月5日には夫婦そろって「新婚さんいらっしゃい!」に出演し、素顔の一面を見せています。

人柄の面では「大の甘党」として知られ、自身のInstagramでは「甘いものは世界を救う」のハッシュタグとともに、日々食べたスイーツを頻繁に投稿しています。
また自他共に認めるしゃべり好きで、「しゃべりすぎる女形」を自称することもあるほど。
Instagramのライブ配信では、1人で2時間以上話し続けることもあるそうです。

もうひとつのトレードマークがピンク色です。
2015年の新春浅草歌舞伎のポスターでピンクのシャツを着用したことがきっかけで、以来ピンクのイメージカラーが定着し、事あるごとにピンクの衣装の着用を求められるようになったといいます。

2026年の近況|歌舞伎座「七月大歌舞伎」

2026年7月2日から26日まで歌舞伎座で上演されている「七月大歌舞伎」では、昼の部で『時今也桔梗旗揚』に出演しています。
松本幸四郎が演じる武智光秀(明智光秀がモデル)の妻・桔梗を勤め、市川團十郎尾上松也市川染五郎ら豪華な顔ぶれとの共演が話題です。

テレビ出演も精力的で、2026年6月にはNHK Eテレの「心おどる 歌舞伎女形」に全4回にわたって出演しました。
1月には「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」で審査員を務めるなど、歌舞伎の舞台にとどまらないメディア露出を続けています。

まとめ|中村米吉の魅力

中村米吉の魅力を振り返ると、次のようにまとめられます。

  • 人間国宝・五代目中村歌六を父に持つ、播磨屋の次世代を担う女方
  • 雪姫・八重垣姫・時姫と「三姫」を短期間で制覇した実力派
  • 『風の谷のナウシカ』『FINAL FANTASY X』など新作歌舞伎でも活躍
  • 甘党・しゃべり好き・ピンクがトレードマークの親しみやすい人柄
  • 2024年に結婚、2026年7月は歌舞伎座「七月大歌舞伎」で桔梗役を熱演中

父・歌六から受け継いだ播磨屋の芸を、女方として着実に大きく育てている中村米吉。
三姫制覇という古典の実績と、新作歌舞伎での挑戦を両立させるその活躍から、これからも目が離せません。

よくある質問(FAQ)

中村米吉の本名は?

本名は小川修平(おがわ しゅうへい)です。
1993年3月8日生まれで、東京都出身です。

中村米吉と中村歌六はどういう関係ですか?

実の父子です。
米吉は、人間国宝・五代目中村歌六の長男として誕生しました。
叔父には三代目中村又五郎、従兄弟には四代目中村歌昇、中村種之助がいます。

中村米吉の当たり役は何ですか?

女方の大役「三姫」にあたる、金閣寺の雪姫、本朝廿四孝の八重垣姫、鎌倉三代記の時姫を短期間で制覇しました。
『風の谷のナウシカ』のナウシカ役や『FINAL FANTASY X』のユウナ役など、新作歌舞伎でも高く評価されています。

中村米吉は結婚していますか?

はい。
2024年1月に京都出身で元舞妓・芸妓の一般女性と入籍し、5月29日に帝国ホテルで披露宴を行いました。

中村米吉は今何の舞台に出ていますか?

2026年7月2日から26日まで、歌舞伎座「七月大歌舞伎」の『時今也桔梗旗揚』に出演し、松本幸四郎演じる武智光秀の妻・桔梗を勤めています。

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